ナイトウィッシュ〜クリエイター〜パンテラ/LOUD PARK 2023 座談会 vol.4(終)

ナイトウィッシュ〜クリエイター〜パンテラ/LOUD PARK 2023 座談会 vol.4(終)

座談会レポート最終回。約5年半振りの開催となった国内最大の爆音の祭典“LOUD PARK”を、オープニング・アクト&初出演を果たしたPhantom Excaliver(ファントム・エクスカリバー)と共に振り返ります! バックステージの写真もあり。

当座談会の参加メンバー:

ファントムエクスカリバー
(from l.)Matsu&Kacchang

★Kacchang(Phantom Excaliver/vo)
★Matsu(Phantom Excaliver/g)
★奥村裕司(ライター/聞き手)
★上田慎也(ヤング・ギター編集部/立会人)

NIGHTWISH:「Storytime」のイントロが鳴った瞬間…!!

ナイトウィッシュ バンド ステージ

奥村:そろそろ終盤に突入して、お次はナイトウィッシュ! ストラトも泣いたけど、個人的にはコッチが“優勝 of 優勝”でした。

Kacchang:(2曲目に)「Storytime」のイントロが鳴った瞬間、幕張で一番の大声を上げたと思います。あの時うるさかったのは自分です…。会場の皆様、失礼しました。それくらいテンション上がりました!

奥村:フロール・ヤンセン(vo)は身重なのにヘドバンしまくりで…。

Kacchang:フロールは神々しく、あの方が歌う度に僕の罪が赦された気がしました。でも、そんな悪いことしてたっけか…?

Matsu:悪いことしまくりだろ!(笑) 打ち上げではナイトウィッシュのメンバーとも仲良くやってたな?

Kacchang:BLEED FROM WITHINのメンバーと一緒に、ドラムのカイ・ハートとも飲むことが出来ました! 彼も聖剣に興味津々でした。

奥村:エンプ(ヴオリネン)は決してギターが主役じゃないバンドなのに、今回も健気に頑張ってました!

Matsu: “健気に”ってトコがジワります。ただ、少なくとも僕よりギターが上手なのは間違いないので、僕も健気に精進していきたいです。

エンプ・ヴオリネン
Emppu Vuorinen

奥村:ギターはバグパイプなどがメイン担当のトロイ(ドノックリー)も弾いてて、初期には考えられなかったツイン・ギター・バンドになってたりも。マルコ(ヒエタラ/前b, vo)の不在は痛かったけど、10分超の大作「Ghost Love Score」をやってくれる心意気にも感動しました。

Kacchang:確かに! どのバンドもそういった“攻め”をやってくることに、本当に凄まじく感じ入りましたね。

NIGHTWISH フォトギャラリー

NIGHTWISH セットリスト @LOUD PARK 2023.3.26

1. Noise
2. Storytime
3. Tribal
4. Élan
5. Dark Chest Of Wonders
6. I Want My Tears Back
7. Nemo
8. Shoemaker
9. Last Ride Of The Day
10. Ghost Love Score

Phantom Excaliver with Kai Hahto

カイ&Kacchang
「私は日本がまた好きになった。君と出会えたからね」と、「惚れてまうやろー!」なひと言をいただきました。素晴らしいナイトにウィッシュをしたstorytimeでした!(Matsu/写真提供:Phantom Excaliver)

KREATOR:リフ! 速い!! 強い!!

クリエイター ステージ

ミレ・ペトロッツァ
Mille Petrozza

奥村:トリ前はクリエイター! 古い曲が少な過ぎ…とのオッサン達の意見もあったようですが、逆に…近作から多めでもあれだけ盛り上がれるのは凄いな〜と。

Kacchang:近年の曲多めなのは個人的に嬉しかったです! 最初に「Hate Über Alles」が始まった瞬間、ピットの全員をブッ倒したい衝動に駆られるくらい暴力性のあるリフに昇天しました。やはりキャリアの長いバンドなだけありサウンド面も昔と比べて違うところも多く、そういったバンドの進化は応援したくなります。あと、「Enemy Of God」も最強! そしてシメの「Plesure To Kill」でしっかり最後は“Kill”していただきました。

Matsu:大先輩のSEX MACHINEGUNSのサウンドがいつも最強で、何度もライヴで(音や演奏に)ボコボコにされるんですが、そのMACHINEGUNSの超絶完成系というか、ギターのスタイリッシュさと音圧、グルーヴと衝動が凄かったですね。

奥村:クリエイターとMACHINEGUNSの共通点とは面白いですね!

Matsu:軍曹(=フロントマン)がいて周りがカッチリ固まってる──そんな構成的に今のMACHINEGUNSと似ているのではないかと。

奥村:なるほど。ミレはまさに鬼軍曹ですね。ただ、あのヴァイオレントな雰囲気とは裏腹に、サミ(ウリ=シルニヨ/g)のリードは北欧出身らしい叙情があって、ミスマッチなようで実は今のクリエイターらしさを出している…かと。

サミ・ウリ・シルニヨ
Sami Yli-Sirniö

Kacchang:ミスマッチは一切感じませんでした。そう思わせる最強のスラッシュ・メタルでしたね。メタルの醍醐味が詰まってて…これがクリエイターだ!! リフ! 速い!! 強い!!

奥村:しかしながら、ウォール・オブ・デスを4回…はやり過ぎだったかも?(苦笑)

Matsu:ちょっとお客さん側も掴みきれてない部分があったかな?

Kacchang:いやいや、もう衝動が止まらないんでしょうがないです!!(笑)

KREATOR フォトギャラリー

KREATOR セットリスト @LOUD PARK 2023.3.26

1. Hate Über Alles
2. Hail To The Hordes
3. Awakening Of The Gods〜Enemy Of God
5. Phobia
6. Satan Is Real
7. Hordes Of Chaos(A Necrologue For The Elite)
8. 666 – World Divided
9. Flag Of Hate
10. Violent Revolution
11. Pleasure To Kill

Phantom Excaliver with Frédéric Leclercq

フレデリク・ルクレール
本当に気さくな方で、とにかくウルトラいい匂い…。ずっとクンカクンカしまくりました。使用機材(香水)はイヴ・サンローランとのこと。(Matsu/写真提供:Phantom Excaliver)

PANTERA:すべて解き放たれるかのような重音圧!!

パンテラ
PANTERA

奥村:そして…いよいよ大トリのパンテラ!

Kacchang:大本命でした…!! 同じ時代に生きていることを本当に感謝しております。

Matsu:WBCで大谷翔平を見て、同時代に生きていることを感謝しましたが、同様に感謝、感謝でした。

奥村:開演前から何か…暴動でも起きそうな雰囲気が漂ってましたね?

Matsu:暴動というか、今まで溜まってきたモノがすべて解き放たれるかのような重音圧でした…!

Kacchang:Phantom Excaliverと同じく4人編成なんですよね。なのに、何で…なんでしょ? まるで100人いるぐらい音が最強なんですよ。

奥村:お2人のパンテラ初体験は?

Kacchang:『FAR BEYOND DRIVEN』(’94年)です。

Matsu:僕は『COWBOYS FROM HELL』(’90年)ですけど、後追いです。(VOLCANOなどのシンガー)Novさん著の『地獄のボーカル・トレーニング・フレーズ』のCD紹介コーナーに載ってて、TSUTAYAで借りてきて聴いた覚えがあります。

Kacchang:僕はそもそも、最初は好きではありませんでした。メロディーが良いメタルが好きで、それこそストラトヴァリウスのようなバンドばかり聴いてたんです。でも、自分がバンドでシャウトするようになり、色んなバンドを聴こうとしたタイミングで改めてパンテラを聴きました。あの衝撃は今でも憶えてます。何かが降りてきたように自分が変わってしまうかのような、あの感覚。強くなった気分になれました。最高です! 最強です!!

Matsu:僕も同様です。メロスピとX-JAPANばかり聴いていて、本格的にバンドを始めるまでは触れておりませんでした。

奥村:ザック(ワイルド/ブラック・レーベル・ソサイアティ)のギターはどうでしたか?

Kacchang:当然、彼はダイムバッグ・ダレルではありませんが、僕からしたらパンテラとして活動し、パンテラの曲をやってくれるだけで本当に嬉しいんです。かつてのX-JAPANみたいな感じでしょうか…。

奥村:HIDEに対する…

Kacchang:SUGIZOさんのような感じですね。

Matsu:僕はザック、「メッチャ合ってる!」と思いましたね。ペンタトニック・スケールで成り上がったザックが、あんなにも重低音をカマせるとは…。本当に恐れ入りました。

Kacchang:キャラクター的にも滅茶苦茶バッチシでしたね。あの音がフロアの熱気がすべてを物語ってると思います。

ザック・ワイルド
Zakk Wylde

奥村:初の生フィル・アンセルモ(vo)はどうでした?

Kacchang:「フィルの声だぁぁぁあああ!!」ってなりました(笑)。

奥村:実は最初、(元プロ野球選手の)清原(和博)に見えたんですけど(笑)。

Matsu:清原…!!!!(爆笑)

Kacchang:まぁ、少し“大きく”なってましたからね(笑)。

フィル・アンセルモ
Phil Anselmo

奥村:セトリはほぼベスト選曲でしたが、どの曲で一番ブチ切れましたか?

Kacchang:「Fucking Hostile」も最高でしたが、「Strength Beyond Strength」が聴けたのがヤバ過ぎました。あの速いビートからのシンプルな極悪リフがたまらなく大好きで、「ありがとおおおおおおおおおおお!!」って感じでした。フロアだけでなく、関係者席もみんなヘッドバンギングが止まることなく、幕張のすべてを支配してましたね。

Matsu:僕は「Shattered」も聴きたかったです! なかなかのハイ・トーン(ヴォーカル曲)ですが…あの曲のノリノリなリフが堪まりません。

奥村:フィルは途中MCで「またライヴやったら観に来てくれるか?」と訊いてましたが、もしかすると単独再来日公演があるかも…?

Matsu:もし実現したら(チケット)即完どころの話じゃないですね!!

Kacchang:絶対に行きます。フィル……あなたのシャウトとメロディー、どの声も本当にリスペクトしてやまない。ヴォーカリストとしても、フロントマンとしても愛してやまないです。

Matsu:「抱かれたい」って言ってたよな?

Kacchang:僕のお尻を捧げます…(笑)。

奥村:ひとつ残念だったのは、アボット兄弟の在りし姿を追った映像は感動したものの、そのBGM扱いだった「Cemetery Gates」はやっぱり生演奏してほしかったな…と。

Kacchang:正直、それは僕も思いました…。バンド・サウンドで聴きたかった…。チャーリー(ベナンテ/アンスラックス)のドラムのバチバチ具合や、レックス(ブラウン)のベースの歪み、ザックのダレルを彷彿とさせるギター・ワークとトーン。そしてフィル。本当に最強の音、最高のパフォーマンスでした。パンテラを好きで良かった…と心から思えるライヴでしたね。

PANTERA フォトギャラリー

PANTERA セットリスト @LOUD PARK 2023.3.26

1. Mouth For War
2. A New Level
3. Strength Beyond Strength
4. Becoming
5. I’m Broken
6. Use My Third Arm
7. 5 Minutes Alone
8. This Love
9. Yesterday Don’t Mean Shit
10. Fucking Hostile
11. Planet Caravan
12. Walk
13. Domination〜Hollow
14. Cowboys From Hell

総括:“LOUD PARK”出演全員がMVP!

Matsu & Kacchang /開演前
開演前のセッティング中にパシャリ。とにかく興奮が止まらない一日でした!!(Matsu/写真提供:Phantom Excaliver)

奥村:さて、今回Phantom Excaliverとしては出演バンドでもあり、同時に観客としても大いに楽しまれたようですが、この経験を今後にどうつなげていきたいですか?

Kacchang:あの夢の舞台に立ちたく、髪の毛を立て、聖剣を持ち、リュックに大量のCDを詰め込んで、僕達はかつて“LOUD PARK”に遊びに行ってました。(現場で配った)CDを多くの人が受け取ってくださり──こうして今回、あの舞台に立つことが出来ました。協力していただいた関係者の皆様、応援してくださった方々、すべての想いを胸に挑みました。感謝の気持ちで次につなげると挑んだステージ。あの舞台は本当に特別でした。出演バンドもすべて、本当に最強で最高だった。まだまだ長い道のりを「喰らい付いていってやるぞ!」と気合いが入りました。

Matsu:僕個人としては、優勝はストラトヴァリウスでしたが、最初から最後までプロモーターさんの“LOUD PARK”を作り上げるに当たってのコダワリが伝わってきて、全員がMVPだったのでは…と思います。日本で最強で最高のTRUEなフェスを今後続けるために、僕達自身もっと頑張らなければ…とも思いました。演者としても観客としても体験したからこそ、自分達が最もそれを理解出来ているのかもしれません。 “LOUD PARK”出演を通じて、バンドとしても、ギタリスト、ミュージシャンとしても、大きく成長することが出来たと思っています!! 改めて、この機会を用意してくださったプロモーターの皆様と、応援してくれたファン、協力してくれた仲間達に感謝すると同時に、メンバーにも本当に感謝しています。そういう意味では、演者ではなく、やはり観客として楽しんできた自分がいたこともとても嬉しかったです。ただ、「こんなに対バンがレベチなことはしばらくはないのでは…!?」とも思いますが(笑)。

Kacchang:今後については、決して“ラウパに出た”だけで終わらせないよう、東京ドームでプレイする未来へ向けて、ここから飛び出したいです。そして、(“LOUD PARK”に)ヘッドライナーとして戻ってきたいですね。今回、多くの方に知っていただいたチャンスを、先日(3月31日に)公開しました「メタルを裏切らない」というMVにつなげ、さらに4月に行なわれる(バンド・コンテスト)“Metal Battle Japan”決勝ラウンドで優勝し、ドイツへ行く…というところまでが直近の目標となります。

奥村:これまで海外ライヴの経験は?

Kacchang:海外はまだ個人的にも行ったことがありません。だからこそ“Metal Battle Japan”で優勝し、ドイツの“Wacken Open Air”への切符を掴み取りたいんです!

Matsu:ラウパの勢いのまま、“Metal Battle Japan”でもヴァッケン行きを決めてきます!! (※この対談が行なわれたのは“Wacken Open Air”のバンド・コンテスト“Metal Battle Japan”が行なわれる前のこと。ファントムはその後、同コンテストで見事優勝を果たし、独ヴァッケン行きの切符を手にした!)

終演