【LOUD PARK 2023直前予習】パンテラ、クリエイター、ナイトウィッシュ…全10アーティストの見どころチェック!

【LOUD PARK 2023直前予習】パンテラ、クリエイター、ナイトウィッシュ…全10アーティストの見どころチェック!

いよいよ開催を間近に控えた日本国内の最強メタル・フェスティヴァル”LOUD PARK 2023″。期間限定で復活するこのイベントに国内外から様々なメタル・アクトが集結し、3月25日(土)は大阪、翌26日(日)は東京の2会場で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることが期待される。

当ページで紹介する出演ラインナップ全10アーティストの見どころをチェックして、来たるべきメタルの祭典に備えよう!! 伊藤政則氏による特別コメントも必見だ。

出演ラインナップ

PANTERA パンテラ

パンテラ

兄のヴィニー・ポール(dr)と弟のダイムバッグ・ダレル(g)のアボット兄弟による、ドラムとギターの強靭なユニゾンを軸に組み立てられた革新的アンサンブルで’80sメタルを過去のものにした、’90sグルーヴ・メタルの狂獣パンテラ。急速な世界的成功の代償か…、薬物問題などによってメンバー間に不協和音が鳴り響いたバンドは’03年に瓦解し、その後アボット兄弟が相次いで死去したこともあってバンド復活の希望は潰えたかに見えた。が、’22年になって、フィル・アンセルモ(vo)とレックス・ブラウン(b)のクラシック・ラインナップに、ザック・ワイルド(g/ブラック・レーベル・ソサイアティ)とチャーリー・ベナンテ(dr/アンスラックス)を迎えて急転直下の再始動。果たして、ワーミー・ペダルやノイズ・ゲートを駆使するザックを拝めるのは今だけ…か!? それとも新たなるパンテラ伝説の始まりが“今”だったりするのか──。

KREATOR クリエイター

クリエイター

ミレ・ペトロッツァ(vo, g)らを中心に’82年に結成されたジャーマン・スラッシュの大巨人。ソドムやデストラクションと並ぶジャーマン・スラッシュの“三羽烏”として名を馳せ、デス/ブラック・メタルの先駆としての顔も持つ。’90年代は迷走もしたが、’00年代以降は本来の姿を取り戻し、フレデリク・ルクレール(b/元ドラゴンフォース)加入後に制作された15th『HATE UBER ALLES』(’22年)では迷走期(と見られていた)のゴシック/インダストリアルをジャーマン・スラッシュと抱合した、実験的でありながら集大成的というベテランの凄みを叩きつける楽曲も威風堂々轟かせた。殺伐とした景色を一変させる叙情的なソロも、リフの突進力や暴虐性も魅力満点だが、近年はエピック・メタル的に勇壮なリフ・ワークにも磨きがかかる。

NIGHTWISH ナイトウィッシュ

ナイトウィッシュ

北欧フィンランドで’96年に結成。オペラを歌えるような──いや実際にも歌っているが、そうした本格派の女性ヴォーカリストをフロントに据えたシンフォニック・メタルの先駆。映画音楽的な壮大なスケール感と大衆性が入り混じった彼らのメタル・サウンドは、今や母国も欧州全土も飛び越えての世界的人気を誇り、’10年代には『IMAGINAERUM』(’11年/7th)を皮切りに2作を全米トップ40に送り込んでいる。今回の”LOUD PARK 2023″は、病魔に打ち勝ったばかりのフローア・ヤンセン(vo)が復帰しての待望の来日ということでも注目の舞台だが、アーミングで細やかに抑揚を付けながら、丁寧にギター・メロディーを紡いでいくエンプ・ヴオリネン(g)の堅実な職人仕事にも目と耳を傾けたい。

STRATOVARIUS ストラトヴァリウス

ストラトヴァリウス

’84年結成のフィンランド産メロディック・パワー・メタルの重鎮。’08年にはティモ・トルキ(g)が脱退したが、(現メンバーの)マティアス・クピアイネン(g)らを迎えてからの2枚目『ELYSIUM』(’11年/13th)を母国のチャート1位に送り込むなど、苦難を越えて着実にステップ・アップを果たす。7年ぶりの最新アルバム『SURVIVE』(’22年/16th)では、ティモ・コティペルト(vo)のハイ・トーンやイェンス・ヨハンソン(key)の透明感溢れる鍵盤に、マティアスのシュレッドを盛り込んでの定番メロディック路線は堅持しつつ、“パワー”にも磨きをかけてギター・リフの剛性を高め、さらにはダンサブルなビートを引き寄せての新機軸にもトライ。活動歴40年を目前にして、意気軒昂である。

CARCASS カーカス

カーカス

ビル・スティアー(g, vo)、ジェフ・ウォーカー(b, vo)、ケン・オーウェン(dr)の3名で英国リヴァプールにて結成。当初はグラインドコア・バンドとして出発した彼らだが、伝統的なメタル愛好家のマイケル・アモット(g/現アーチ・エネミー)の加入後に化学反応。メロディック・デス・メタルの原型が爆誕し、『HEARTWORK』(’93年/4th)は不朽の金字塔となった。マイケル脱退後の『SWANSONG』(’96年/5th)を最後にバンドは終焉を迎えるも、’07年にはビル&ジェフに、マイケルとダニエル・アーランドソン(dr)のアーチ・エネミー組を加えた形でバンドは復活(現在はアーチ・エネミー組とオリジナル・ドラマー抜きのラインナップ)。’21年には復活第2弾『TORN ARTERIES』(7th)がリリースされた。

AMARANTHE アマランス

アマランス

クリーン担当の紅一点エリーセ・リード(vo)と、クリーン/スクリーム担当の男性2名によるトリプル・ヴォーカルの“圧”も強烈な、スウェーデン出身のメロディック・メタル・バンド。メタルコアに高揚感のあるエレクトロ・サウンドを交えたモダンでスタイリッシュなメタル盤『AMARANTHE』(’11年/1st)は、’10年代の北欧/欧州メインストリーム・メタルを代表する傑作だが、最新『MANIFEST』(’20年/6th)でも進化は止まらず、ダンサブルなビートの強化で高揚感を増幅させた異形のアッパー・メタルを聴かせる。バンドの頭脳:オロフ・モルク(g, key/ドラゴンランド)の、無駄を削ぎ落とした超機能的なギター・ワーク(なのにシュレッド込み!)もクレヴァー! 尚、’22年にスクリーム担当が脱退しており、“LOUD PARK 2023”は新体制での舞台となる。

BLEED FROM WITHIN

BLEED FROM WITHIN

’05年に結成されたスコットランドはグラスゴー出身のモダン・メタル・バンド。最初期こそ地下メタル臭の充満する舵取りだったが、現在はメタルコアを軸足に、メロディック・デスの扇情的ギター・メロディーや、デスコア/グルーヴ・メタルの縦横のグルーヴも自在に操っての、パンテラ〜ラム・オブ・ゴッドに連なるモダン・メタルの申し子的サウンドを轟かせる。前作発表後、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインやラム・オブ・ゴッドとの共演を経たのちに制作された最新盤『SHRINE』(’22年/6th)では、オーディエンスとの一体感を生み出すようなシンガロング・パートを増強。メタルの伝統的な作法を感じさせる瞬間が幾度となく訪れるツイン・ギターのコンビネーションにしても、大舞台での鍛錬の賜であろう。

OUTRAGE

アウトレイジ

’82年に名古屋で結成。NWOBHMをルーツに持つ滋味深きスラッシュ・メタル・バンドの大ヴェテラン。’88年の『BLACK CLOUDS』でメジャー・デビュー。阿部洋介(g)、安井義博(b)、丹下眞也(dr)、橋本直樹(vo/現在はNAOKIの表記)がデビュー時のクラシック・ラインナップ。’90年代中盤からはハードコアやグランジなど多様なヘヴィ・ロックを内包する音楽性へと変貌を遂げ、’99年の橋本脱退後はトリオ編成のストーナー・ロック・バンドとして活動していた時期もあったが、’08年には橋本が出戻ってクラシック・ラインナップとして復活。以後は初心忘れるべからずの“メタル”に回帰しつつ、モダンなエッジも’70年代魂もギターに刻みつけた作品をコンスタントに発表している。『Run Riot』(’20年/14th)が最新盤。

H.E.R.O.

H.E.R.O.

’14年結成のデンマーク産バンド。デビューからの2枚はポップが勝り、ギターに関しても透明度の高い美メロ・ヴォーカルに付随する伴奏的なプレイが多々…だったが、ミューでも活躍するヨハン・ウォーラート(b/’20年加入)を正式メンバーに迎えて制作された最新作『ALTERNATE REALITIES』(’22年/3rd)ではヘヴィさが倍増。メタル者にも刺さるタフなギター・リフに彩られたスタイリッシュなサウンドを展開する急成長に乾杯!! と思いきや、結成メンバーの1人であったソレン・イテノフ(g)が3rd発表後に突如として脱退してしまう…。“LOUD PARK 2023”で、クリストファー・スティアネ(vo, g)、アナス“アンディ”キルケゴール(dr)、ヨハンによるトリオ編成のH.E.R.O.の新たな幕が上がる。

JASON RICHARDSON & LUKE HOLLAND ジェイソン・リチャードソン&ルーク・ホーランド

ジェイソン・リチャードソン&ルーク・ホーランド

’91年アメリカ生まれで、7弦&8弦ギターを自在に操るメタルコア/ジェント世代の超絶テクニカル・プレイヤー、ジェイソン・リチャードソン(g, b, synth,orchestration etc./オール・ザット・リメインズ)が、最新インスト・ソロ・アルバム『II』(’22年/2nd)に全面参加のルーク・ホーランド(dr/元ザ・ワード・アライブ)とタッグを組んで“LOUD PARK 2023”に参戦。’17年にはポリフィアの来日公演に帯同し、’19年にはアーニーボール・ミュージックマンからシグネチュア・ギター“Cutlass”も発表された新世代ギター・ヒーローの真価/進化を目の当たりする機会となるだろう。変拍子もなんのそのでギター/ドラムが一心同体となった、驚異の爆速シンクロナイズドを体感せよ!!

(アーティスト解説●菅原健太)

「“日本史上最大のメタル・フェスティヴァル”を体験してみてほしい!」伊藤政則による特別コメント

伊藤政則
Pic:中島たくみ

“日本のメタル・ゴッド”伊藤政則氏が、“LOUD PARK 2023”の見どころについて特別にコメントを寄せてくれた!

まず、あのパンテラが観られるっていうのが、やっぱり今回のLOUD PARKの最大のポイントだろうね。2000年代初頭からパンテラとしての活動がなくなり、事実上解散。そしてダイムバッグ・ダレル(g)とヴィニー・ポール(dr)の兄弟がそれぞれ亡くなって以降、特に若い世代のファンにとってパンテラはまさに“伝説”のバンドなわけで、それが2023年のここ日本で、“LOUD PARK”で観られるというのはやっぱり特別だよね。そこにアウトレイジが参加しているというのもストーリーを感じさせて、当時のファンにとっては感慨深いものがあるだろうし。

──註:1992年のパンテラ初来日時のオープニング・アクトがアウトレイジだった──

そのほかにも、クリエイター、ナイトウィッシュ、ストラトヴァリウス、カーカス、アマランス、BLEED FROM WITHIN、H.E.R.O.、ジェイソン・リチャードソン&ルーク・ホーランドという、なかなかユニークなラインナップが揃っているよね。

それに今回の“LOUD PARK”は“限定復活”──約5年半ぶりとなる久々の開催で、次回があるのかどうかは分からないという点でも、今回は貴重で意義のあるものだと思うし、特にこれまで“LOUD PARK”に1度も行ったことがないという人には、ぜひこの“日本史上最大のメタル・フェスティヴァル”を体験してみてほしいね!

LOUD PARK 2023 概要

出演ラインナップ:

パンテラ、クリエイター、ナイトウィッシュ、ストラトヴァリウス、カーカス(東京のみ)、アマランス(東京のみ)、BLEED FROM WITHIN、アウトレイジ(東京のみ)、H.E.R.O.(東京のみ)、ジェイソン・リチャードソン&ルーク・ホーランド

LOUD PARK 2023

大阪公演

日程:2023年3月25日(土)
会場:インテックス大阪
開場:12:30
開演:13:30

チケット料金(すべて税込)
一般:15,000円(スタンディング/1ドリンク代別途必要/ブロック指定)
GOLDチケット:22,000円 専用観覧エリアあり+特典(スタンディング/1ドリンク代別途必要/ブロック指定)

お問い合わせ:
キョードーインフォメーション:0570-200-888

東京公演

日程:2023年3月26日(日)
会場:幕張メッセ 9〜11ホール
開場:10:00
開演:11:00

チケット料金(税込)
一般:19,000円(スタンディング/1ドリンク代別途必要)
GOLDチケット:30,000円 専用観覧エリアあり+特典(スタンディング/1ドリンク代別途必要)

お問い合わせ:
クリエイティブマン:03-3499-6669

イベント公式インフォメーション
LOUD PARK 2023