LOVEBITES、独自の魅力に磨きをかけた最新ライヴ! “RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021” @東京ドームシティホール 2021.3.26

LOVEBITES、独自の魅力に磨きをかけた最新ライヴ! “RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021” @東京ドームシティホール 2021.3.26

2020年1月に3rdフル・アルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』をリリースし、同年2月からアルバムをフォローする全国ツアーをスタートさせたLOVEBITES。しかし、コロナ禍の影響により同ツアーは道半ばで中断せざるを得ない状況となり、その後にリスケジュールされた公演も開催されることはなかった。『ELECTRIC PENTAGRAM』が高い評価を得たこともあり、メンバーやファン、スタッフといった人達のやるせない思いや落胆は非常に大きかったに違いない。

しかし、そんな状況に負けることなく彼女達は新たな音源の制作に着手し、今年3月にミニ・アルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』を発表。さらに、約1年ぶりとなる有観客ツアー“RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021“を行なった。各公演ともにチケットが即座にソールドアウトしたことからは、多くのリスナーがLOVEBITESのライヴを待ちわびていたことが窺える。東京公演の場となった東京ドームシティホールも、感染拡大予防のガイドラインに従って入場者数は制限されていたものの、間隔を空けて用意されていた座席は熱心なファンによってすべて埋め尽くされ、場内には“制限”を感じさせない熱気が渦を巻く白熱のライヴとなった。

場内が暗転してステージ前面に降ろされたスクリーンにカウント・ダウンが映し出されてオーディエンスが総立ちとなる中、ライヴは力強く疾走する「When Destinies Align」で幕を開けた。白い衣装に身を包んだメンバー5人が並び立ったステージは華やかさに溢れており、圧倒的な音圧とキレの良さを兼ね備えたサウンドが全身に心地いい。1曲目からトップ・ギア状態で爆音を轟かせるLOVEBITESに応えてオーディエンスも熱いリアクションを見せ、ショウが始まると同時に場内のヴォルテージは一気に高まった──。

LOVEBITES 会場

「When Destinies Align」で作り上げた良い雰囲気を保ちながら、続いて「The Crusade」と「Golden Destination」をプレイ。煌びやかなオーラを発しながら幅広い声域と豊かな表現力を駆使したハイ・レベルなヴォーカルを聴かせるasami。クールな表情でテクニックと“泣き”を絶妙にブレンドしたギター・ワークを見せるmiyako。明るい笑顔を浮かべてテクニカル&ホットなプレイを相次いで決めるmidori。膝の辺りにベースを構えて激しくパフォームする姿と重厚にうねるベース・サウンドの取り合わせが最高にカッコいいmiho。ドラム・セットの後ろから強力な存在感を放ちつつ、パワフルさと緻密さを融合させたドラミングを展開するharuna──そんな個性の異なる5人が生み出すケミストリーはステージ上においても実に魅力的であり、彼女達のライヴはプレイ面での観どころが多いこともポイントと言える。また、個々のメンバーとして、そしてバンドとしても、1年に及んだブランクを全く感じさせない圧巻のステージ・パフォーマンスを披露してくれたことも印象的だった。

LOVEBITES asami, miyako
midori、 miyako

「ただいま、東京! やっと、ここに立つことができました。みんなの顔が見れて嬉しいです。ありがとうございます! 1年間のみんなの想いを今日このステージにぶつけて、最高に熱い夜にしましょう!」というasamiのMCを挟み、火柱が上がる中で演奏された超高速チューンの「Set The World On Fire」や、midoriのスウィープ・ピッキングを使った速弾きからタッピングを織り交ぜたmiyakoのソロに移り、その後2人で流麗なツイン・リードを奏でる間奏が挿入された「Shadowmaker」、miyakoがギターからショルダー・キーボードに持ち替えて、場内を明るく盛り上げた「Spellbound」などを披露。テイストの異なる楽曲や立体的に造られたステージ全体を使った魅せ方、ホール・ライヴにふさわしい大掛かりなライティングやギミックなど見どころ満載で、一貫してハード&ヘヴィなライヴでありながら、飽きることはまったくない。これまでLOVEBITESが海外の大舞台に立ち大観衆を湧かせてきたことは周知のことだが、今回の彼女達の堂々たるパフォーマンスを観て、改めてLOVEBITESは(日本国内においても)もっと大きな会場にもフィットするバンドだということを強く感じさせた。

asami
asami
midori
midori
miyako
miyako

翳りを帯びた世界観とエモーショナルに歌い上げるasamiのヴォーカルをフィーチュアしたスロー・チューンの「A Frozen Serenade」や、華麗に疾走した後にmiyakoのピアノの独奏で締め括る「Swan Song」などを経て、ライヴは後半へ。ヨーロピアンな雰囲気の「Glory To The World」を皮切りに、メカニカルなサウンドとasamiの弾力感のある歌声を見事に組み合わせた「The Apocalypse」や、mihoとharunaによる鉄壁のアンサンブルを軸にしたソリッドなサウンドが光る「M.D.O.」、キャッチーな「Don’t Bite The Dust」などを畳みかけるようにプレイ。激しく突き進んできた前半戦から後半戦に入ってもまったくパワー・ダウンしないばかりか、さらに勢いを増すあたりはさすがに海外も転戦してきた“ライヴ・バンド”であるLOVEBITESならではだ。メンバー全員が激いプレイとアクティヴなパフォーマンスを展開しながらも常にサウンドがタイトなことも含めて、彼女達の群を抜いた演奏力と持久力に圧倒されずにはいられなかった。

miho
miho
haruna
haruna

その後は、本編のラスト・ソングとして様式美メタルに通じるテイストを活かした「Holy War」をプレイ。LOVEBITESとオーディエンスが放出する膨大なエネルギーが混ざり合い、東京ドームシティホールの場内は怒涛の盛り上がりを見せた。

1年ぶりの有観客公演で、充実感に溢れたライヴを披露してみせたLOVEBITES。ハード&ドラマティックな楽曲や高度な演奏力、硬派な雰囲気でありながら、自然と香る女性ならではの華やかさもあり、それらが折り重なったLOVEBITESの世界は独自の魅力に溢れている。あらゆる面にさらなる磨きがかかったこともあり、今後の彼女達はより多くのリスナーを虜にしていくに違いない。また、LOVEBITESがワールドワイドの場で活躍できるバンドであることを改めて感じただけに、彼女達が世界各国で普通にツアーを行なえる状態に1日も早く戻ることを願う。そんな思いを抱かせる、上質なライヴだった…!!

LOVEBITES all

“RIDE FOR VENGEANCE TOUR 2021” 2021. 3. 26 東京ドームシティホール セットリスト

1. When Destinies Align
2. The Crusade
3. Golden Destination
4. Set The World On Fire
5. Shadowmaker
6. Today Is The Day
7. Winds Of Transylvania
8. Spellbound
9. The Unbroken
10. A Frozen Serenade
11. Swan Song
12. Glory To The World
13. The Apocalypse
14. M.D.O.
15. Don’t Bite The Dust
16. Holy War
[encore]
17. Thunder Vengeance
18. Under The Red Sky