“天国級”の爆音ステージ! NEMOPHILAワンマンライブ 2023.7.17@東京ガーデンシアター

“天国級”の爆音ステージ! NEMOPHILAワンマンライブ 2023.7.17@東京ガーデンシアター

2019年の結成以降、“地獄のゆるふわバンド”と謳いスルッとこちらの懐に入りつつ、訴求力抜群の鋭利な楽曲群で体感した者の度肝を抜いてきたNEMOPHILA。“ガールズ・バンド”というカテゴライズにも抗うことなく、女性らしいしなやかさや艶やかさをたたえながら、一方で”女性にしては”などというアドヴァンテージなど不要とばかりに高度な歌と演奏をサラリと放つその姿勢は、掛け値なしに魅力的だ。そんな彼女たちの結成4周年の記念公演が、“NEMOPHILA 4th Anniversary -Rizing NEMO-”と題して東京ガーデンシアターで開催された(7月30日には、兵庫・神戸国際会館こくさいホールでも開催。詳細はページ下)。

NEMOPHILAにとってエポックメイキングな瞬間はいくつかあると思うが、2022年1月のLINE CUBE SHIBUYA公演は今なお思い起こされる節目のライヴである。初の有観客ワンマンかつホール公演ながら、その大きな舞台をものともしないどころか、いささか窮屈とさえ感じさせ、すでにバンドがひと足先のネクスト・レベルへ進んでいることを確信させた堂々たるパフォーマンスは真に衝撃的だった。そうした上昇気流に乗っているがゆえの猛烈な勢いは、その後も継続——結果、今回、東京ガーデンシアターという過去最大キャパシティの会場に駒を進めることになったのだろう。

さて、定刻を過ぎ、SEをバックにして、まだほの暗い舞台に現れるメンバー。むらたたむ(dr)によるハイハットのカウントで演奏をスタートさせ、mayu(vo)が「What’s up, Ariakeeeeee!」と豪快に第一声を轟かせる。注目の1曲目は、1stアルバムの幕開けでありタイトル曲の「REVIVE」だ。今宵のような大舞台のオープニングにおいて同曲のチョイスはベストで、否応なしにオーディエンスのテンションは急上昇させられる。唸りを上げるツーバスの波動を伴い一気呵成に激走していくが、何はともあれ凄まじいのは、その強烈なる爆音…! 耳をつんざくとはまさにことのことで、容赦なしの攻めが始まることが冒頭から宣告される。

NEMOPHILA @東京ガーデンシアター 2023.7.17

野太いスクリームから一転、天空を突き抜けるメロディアスなサビではフロント・メンバー4人が一斉に各お立ち台に立つ。また、ブレイクダウンでは4人が長い髪を振り乱す激しいヘドバンをシンクロさせるなど、この魅せるステージングこそがNEMOPHILAのライヴの醍醐味だ。中間部では、アーミングを交えたトリッキーなSAKI(g)のフレーズから、タッピングから入る葉月(g)のファストなリードにバトンを渡し、そしてツインのハーモニーへと着地する長尺ギター・ソロにオーディエンスの熱視線が注がれる。

NEMOPHILA - SAKI
SAKI

NEMOPHILA - 葉月
葉月

NEMOPHILA - SAKI&葉月2

NEMOPHILAの魅力を凝縮する佳曲「REVEIVE」1曲でレポートが終始してしまいそうなのでこの辺りでとどめておくとして、間髪入れずに、曲は「雷霆 -RAITEI-」へ。叩きつけるようなタテノリのリズムからメロディックに展開していく曲調は、場内の熱をひと時も途切れさせない。広いステージの上下に立つSAKIと葉月は、距離はあれど向き合いながら、しっかりとアイ・コンタクトをとり息の合ったツイン・リードのフレーズを紡いでいく。さらにたたみかけてシングル曲「RISE」、ほんのりメランコリックなサビと印象的なコーラス・パートを擁する「鬼灯」と連打していくが、ストロング・スタイルの野太い咆哮から繊細な機微を表現する歌唱まで、mayuのヴォーカリゼイションはのっけから最高潮である。また、拳を振り上げながら応戦する熱狂的なファンの姿も圧倒されるものがあった。

NEMOPHILA - mayu
mayu

NEMOPHILA - バンド

「こんばんは、NEMOPHILAです! 今日はこちら、東京ガーデンシアターに遊びに来てくださった皆さん、本当にどうもありがとうございます~。最後まで楽しんでいってください~!」

4曲を終え、曲中のイメージとは異なる柔らかい口調で語りかけるmayu。このギャップはもはやおなじみだが、最後に「曲を聴いて屍になってください」と締めるあたり魔性も漂わせる。

ここで「Back into the wild」が登場し、それまでの剛直スタイルから一線を画したミッド・テンポのリズミックな曲調で空気を変えていった(ドラマーのむらたたむが作曲に関わっているのも頷けるテイストだ)。続く「STYLE」でさらにテンポを落とし、重心の低いグルーヴィなサウンドの上にラップライクな歌唱も乗り、火の灯るトーチが曲のミステリアスな世界観を演出していく。その余韻は「徒花 -ADABANA-」へと引き継がれ、ヘヴィ/ミッド・チューンの楽曲にも説得力を持つバンドであることを改めて証明していた。

NEMOPHILA - むらたたむ
むらたたむ

また、葉月によるクリーンのアルペジオに、SAKIのロング・トーンのリードが乗るイントロダクションがついたバラード「GAME OVER」では、mayuのストレートかつエモーションに満ちた歌唱を堪能でき、あらゆるフィールドで活躍できるシンガーとしての実力者ぶりをまざまざと見せつける。構築美にあふれるツイン・リードもたっぷりで、激烈曲におけるフラッシーなプレイだけでない、ギタリスト陣の懐の深さも感じられるナンバーだ。打って変わり、「Change the world」で聴けるギター・ソロでは、曲想に沿ってメタルにロックンロール風味を絶妙にまぶしたフレーズを披露。幅広い曲調がギタリスト陣の新たな引き出しを開けているようでいっさい飽きさせない。

「Blooming」が始まると、ハラグチサン(b)が言葉数多くまくし立てて歌うソロ・パートが設けられ、mayuのシャウトとユニークなコントラストを描いていく。そのハラグチサン、ライヴ全編にわたって溌溂としたステージングを見せており、たとえばステージ前方に勢いよく駆け出してきたと思ったら、台上に片足を乗せ、ベース・ヘッドを客席に向けて激しく煽りながらプレイするなど終始アクティヴで、自然と目が追ってしまうプレイヤーなのだ。豊かな表情や、ピック弾きと指弾きを使い分けるアピアランスでもこちらを楽しませてくれる。

NEMOPHILA - ハラグチサン
ハラグチサン

ハラグチサンが舞台中央に立ちド派手な爆裂スラップから始める「Rollin’ Rollin’」で今夜の祭り感を演出した後は、ダメ押しとばかりに「Fighter」を投下。ステージにファイアボールの特効が噴き上がる中、たっぷりのリズム・セクションのソロ・パートもあれば、ツインの高速スウィープ&タッピングを導入にしたギター・ソロもフィーチュア。そうした各プレイヤーの確かなテクニックを印象づける構成にも、NEMOPHILAとして打ち出さんとする個性が見て取れる。そのツワモノ楽器隊の上で、しかとロック・シンガー然とした振る舞いをもって微塵も埋もれないmayuは、やはり相当な逸材だ。

NEMOPHILA - SAKI&葉月1

その後、「踊れますか!」の言葉を受けて、ミラーボールが照らす中での「Night Flight」では、一様にサングラス姿のメンバーの“振り付け”を前に、オーディエンスもその動きとシンクロしながら一体化。このセクションはNEMOPHILAのライヴの名物としてすっかり定着しており、年齢性別関係なし、照れてる場合じゃないよ!と言わんばかりに無条件にいざなわれるのである。そして、1stシングル「OIRAN」のカップリングだった高揚感と哀愁を帯びた旋律がたまらない「MONSTERS」で駆け抜け、続く「ZEN」では急転直下、アグレッシヴなヴォーカリゼイションへと変貌。その豪傑スタイルのまま1曲丸ごとゴリ押すというイカつい楽曲だ。当代ヘヴィネス要素が取り入れられた音像の中で、むらたたむによる全身全霊の一打一打が図太くヒットしていたことも印象深い。

NEMOPHILA - むらたたむ

「私的にはもっともっとイケるんじゃないかなぁと思ってます」
「うーん足りないなぁ……私たちはね、過激なんですよ」
「NEMOPHILAは“地獄のゆるふわ”なんですけど、今ここは全然天国に感じるので」
「目が笑ってられるってことは、まだイケる余力がたくさんあるってことですよね?」

これは本編終盤における、オーディエンスのレスポンスに対してのmayuの言葉だが、笑顔かつ自然体でありながら、貪欲に求めていくその手腕がこれまた巧みで、ついつい引き込まれてしまう恐るべきフロントウーマンぶりにニヤリとさせられる。

その後、ドスの効いた声で「チャッキー、カモーン!」とmayuがコールすれば、SAKIはコードをかき鳴らしながらステージ最前ヘ悠然と歩み出る。アドリブでフレーズをいくつか紡いだ後、軽快なポップ・パンク・フレイヴァーが香る「Waiting for you」へ突入。ガールズ・バンドらしい華やかさと多幸感を放ちながら曲を終えると、今度はまさしく地獄モードの「DISSENSION」へ。「頭がもげちゃうぐらい頭振っていきましょう!」と煽り、鮮烈極まりない高速ツイン・シュレッドのハーモニーからなだれ込む同曲のインパクトはリリース当時から現在まで色褪せることがない。スモークが立ち込める中、フロント陣がグッと腰を低く落とし、長い髪を振り乱して一斉にヘドバンする画はあまりに格好良すぎる(繰り返しになるが何度でも言いたくなる)。実に絵になるライヴ・パフォーマンスだ。

NEMOPHILA - mayu
NEMOPHILA - 4人

ハード・ブギーの「SORAI」が客席を大きくうねらせたのち、本編ラストに用意されたナンバーは「Seize the Fate」! 最新2ndアルバムのタイトル曲かつオープニング・ナンバーがここで登場。切っ先鋭いドラム・フィルを合図に、勇猛なメタル・リフ、地獄の咆哮、閃光の如きリード・プレイがのっけから飛び出し、さらに曲展開も“らしさ”抜群――その他含めて“NEMOPHILA全部乗せ”的濃厚さでとどめを刺しにくるという算段であろう。リード・ベース~リード・ギターのセクション後は、4人横並びでステージ最前ヘと躍り出て、後方からは激しく打ち鳴らされるツーバスが援護射撃をしていく。やはりいつ見てもNEMOPHILAのフォーメーション・プレイは、ロック/メタル・バンドの王道でありながら観る者の心を熱く滾らせる。

NEMOPHILA - 葉月
NEMOPHILA - ハラグチサン

怒濤の本編が終わり、アンコールで再度ステージに登場したメンバー。ドラム・ライザーのもとで楽器陣が呼吸を合わせて音を鳴らし、極悪シャウトが闇夜を切り裂く「OIRAN」をドロップする! ここでのmayuは鬼神が宿ったかのような迫力で言葉を発したかと思えば、瞬時にJ-POP/J-ROCKフィールドでも通用する歌唱にスイッチするテクニックがすこぶる圧巻だ。弦楽器隊はポジションを変えて動いていき、SAKIに至っては自身のソロ・パートにおいて、おなじみ極限まで上体を反らしながらロング・トーンのチョーキング・フレーズを放ち、オーディエンスから大きな喝采を浴びていた。

NEMOPHILA - SAKI

ラスト・ナンバーの前には、メンバー一人ひとりが感謝をはじめ今ある想いを伝える場面も。その中では楽しいだけじゃなく悔しい想いがあったことが赤裸々に語られる瞬間もあり、また、込み上げるものがあったのだろう、人目もはばからず涙をたたえる葉月やハラグチサンの姿も見受けられた。思い思いに感情を吐露し、最後にmayuは、「私たちはまだ4年目なんでね。ここから何にでもなれるなって私は思ってます。いろんな挑戦をして、いっぱいくじけて、でもずっとずっと進み続けるので」と告白。そうした言葉の後、最後に披露された曲は「Life」だった。MCでSAKIは“人生はままならないものである”と伝え、同時に「それを乗り越えると、こんな素敵な景色がみんなで作れるんだなということを実感しています」とも語っていたが、まさしく「Life」で歌われているものはそうしたメッセージである。スケールの大きいドラマティックな楽曲とあいまって、胸に迫る感動的なラスト・シーンとなった。

NEMOPHILA - バンド(ステージ横から)

思えば、先のLINE CUBE SHIBUYA公演のラストを飾ったのもこの曲だったが、こうしたキメのバラード・ナンバーを持つロック・バンドは強い。しかも決して作為的でなく、今現在の彼女たちとリアルにリンクしているからこそ、その言葉と音に説得力がある。きっとこの先もNEMOPHILAにとってのかけがえのない曲として、「Life」は歌い続けられていくはずだ。

さて、彼女たちを待ち受ける次なるシーンは、“NEMOPHILA ワンマンツアー ~おしくらまんじゅう押されて笑おう~”と題した全国ツアーである(12本目となるツアー・ファイナル=東京公演の場所はまだ発表されていない)。キャパシティは今回とは大きく様変わりし、まさにライヴハウス然とした会場中心で原点回帰といった感さえあるが、ここでの経験が新たなカンフル剤となり、確実にNEMOPHILAのバンド力を強化することになるだろう。あらゆる刺激を血肉としながら、NEMOPHILAの勢いはまだまだ加速していきそうである。

NEMOPHILA - バンド(挨拶)

NEMOPHILAワンマンライブ 4th Anniversary -Rizing NEMO- 2023.7.17(月・祝)東京ガーデンシアター セットリスト

1. REVIVE
2. 雷霆 -RAITEI-
3. Rise
4. 鬼灯
5. Back into the wild
6. STYLE
7. 徒花 -ADABANA-
8. Game Over
9. Change the world
10. Blooming
11. Rollinʼ Rollinʼ
12. Fighter
13. Night Flight
14. MONSTERS
15. ZEN
16. Waiting for you
17. DISSENSION
18. SORAI
19. Seize the Fate

[encore]
20. OIRAN
21. Life

NEMOPHILA - 開演前

NEMOPHILAワンマンライブ 4th Anniversary -Rizing NEMO- 神戸公演 概要

日程:2023年7月30日(日)
会場:神戸国際会館 こくさいホール
開場:16:00 / 開演:17:00

チケット料金:前売り/税込
A指定席:8,000円
B指定席:6,000円
スタンディング:5,000円

詳細・お問い合わせ:神戸国際ステージサービス 078-230-3310(平日10:00~18:00)

NEMOPHILAワンマンツアー ~おしくらまんじゅう押されて笑おう~ 概要

神奈川公演

日程:2023年11月10日(金)
会場:川崎クラブチッタ
開場 18:00 / 開演 19:00

新潟公演

日程:2023年11月11日(土)
会場:新潟NEXS
開場 17:00 / 開演 17:30

愛知公演

日程:2023年11月17日(金)
会場:名古屋 Electric Lady Land
開場 18:30 / 開演 19:00

兵庫公演

日程:2023年11月19日(日)
会場:神戸VARIT.
開場 16:30 / 開演 17:00

北海道公演

日程:2023年12月02日(土)
会場:札幌Bessie Hall
開場 17:30 / 開演 18:00

大阪公演

日程:2023年12月15日(金)
会場:GORILLA HALL OSAKA
開場 18:00 / 開演 19:00

石川公演

日程:2023年12月23日(土)
会場:金沢EIGHT HALL
開場 17:00 / 開演 17:45

長野公演

日程:2023年12月24日(日)
会場:NAGANO CLUB JUNK BOX
開場 17:00 / 開演 17:30

岡山公演

日程:2024年1月7日(日)
会場:岡山CRAZYMAMA KINGDOM
開場 17:00 / 開演 17:45

福岡公演

日程:2024年1月8日(月)
会場:福岡DRUM LOGOS
開場 17:00 / 開演 17:45

宮城公演

日程:2024年1月13日(土)
会場:仙台Rensa
開場 17:00 / 開演 17:45

チケット情報(最速先行発売):

スタンディング:前売 6,800円 / 当日 7,800円(ドリンク代代別途必要)
受付:7月17日(月) 21:00~7月31日(月) 23:59
当落・入金期間:8月3日(木) ~8月9日(水)
枚数確定:8月10日(木)※小学生以上有料

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