アーティスト名 | ANGRA ANGRA |
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アルバム名 | OMNI オムニ |
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ブラジルの至宝:ANGRAの通算9作目は、ラファエル・ビッテンコート(g)の手による「人工知能が大きな役割を担う2046年の世界」で巻き起こるストーリーを基にした壮大なコンセプト作。前作の時点ではヘルプ的な立ち位置とも言えた元ラプソディー・オブ・ファイアのファビオ・リオーネ(vo)が、メンバーとしての大規模なツアーを経て本格参加している。その未来的なテーマを反映してか全体的に若干モダンでスマートな感触がある一方、近作では最高レベルだと思える“ANGRAらしさ”満載の見事な仕上がりに。
本作では残念ながらキコ・ルーレイロ(g)がメガデスのスケジュールの都合で「War Horns」の作曲とソロのレコーディングを担当するに留まり、彼の後任としてバークリー音楽大学出身で過去にもサポート経験がある元ダーク・アヴェンジャー/現アルマーのマルセロ・バルボーザを抜擢。かねてからその手腕の高さに定評のあるマルセロの超絶技巧が「単なる代役」に留まらない聴きどころを形成しており、旧知のラファエルとの相性も良さげで一安心。アーチ・エネミーのアリッサ・ホワイト-グルーズ(vo)がANGRA史上初となるグロウル・ヴォイスを提供した「Black Widow’s Web」も、非常に良いアクセントとなっている。SHM-CD仕様&DVD付きの限定盤に収録された初期の名曲「Z.I.T.O.」の2018年ヴァージョンも必聴レベルの新テイク。
【文】羽田幸一