METAL RESISTANCE／BABYMETAL

全世界同時リリース、メタル・ダンス・ユニットによる2ndアルバムが完成した。ドラゴンフォースのギター隊がレコーディングに参加したのも納得の、ドラマティック超速スピード・メタル「Road of Resistance」で幕を開ける本作。ライヴのハイライトとなる必殺曲をもったいつけず冒頭に配し、真っ向勝負をかけている点に今作への自信が伺えるが、まさにその後もテンションが落ちる瞬間は微塵もなし。ポピュラリティーのあるメタルだけでなく、ブラック／ヴァイキング・メタルなどのコアなサブ・ジャンルから国内の先達まで、様々な様式のエッセンスを血肉にして世界が緻密に形作られている。

タッピングやアーミングを駆使してトリッキーに攻める前述の「Road〜」を始め、メロスピらしい圧倒的スピード感の中でシュレッドを炸裂させる「Amore -蒼星-」などはギタリストも注目の楽曲。Ｖ系的切なさとメタルの融合「シンコペーション」はライヴでより名曲感を増すはずで、TAKESHI UEDA（AA＝）が楽曲提供したデジタル・テイストのラウド・ポップ「あわだまフィーバー」も中毒性が高い。そして一大プログレ・メタル「Tales of The Destinies」から壮大な「THE ONE」への組曲的流れは、名実共に今作のクライマックスだ。また「Tales〜」は複雑な展開と変拍子の中で多様なリフや高速リックを堪能でき、かなりテクニカルな１曲に。メタルであることも重要な一因だが、加えて全曲とも強烈にキャッチーゆえ、気づけばアルバム単位でリピートしているのである。

【文】早川洋介