LADY IN GOLD／ブルーズ・ピルズ

米国の熱烈なサイケ・ハード復古主義バンドのレディオ・モスコーに在籍したザック・アンダーソン（b）が独立、情念歌唱を操るスウェーデン人女性シンガー：エリン・ラーソン、フランス人ギタリスト：ドリアン・ソリオーらと立ち上げたブルース・ロック・バンドの初アルバム。国際色豊かな編成だがバンドは古典ロックへの憧れで一丸となっており、’60sサウンド再現にかける純血指向とストイックなまでの気迫が古さではなく若々しさを感じさせる。ジャニス・ジョプリン似の歌を主役とした曲作りでギターの活躍は控えめながら、サイケなエフェクトを凝らした音作りの隅々に強力なマニア精神が滲み出ている。

【文】平野和祥