ROCK+／Char

今年の６月16日に60歳になることを記念した新作。あえてオリジナルではなく、泉谷しげる、佐橋佳幸、布袋寅泰、ムッシュかまやつ、石田長生、奥田民生、松任谷由実、佐藤タイジ、JESSE、福山雅治、宮藤官九郎、山崎まさよしの12人のソングライター（それぞれ干支が違うというこだわりぶり）による書き下ろしナンバーを収録。各人がプロデュースもして、ほとんどがレコーディングにも加わっている。バックを務めているのはスカパラホーンズ、ハマ・オカモト（b）、KenKen（b, etc.）、鳥山雄司（g, etc.）、井上 鑑（key）などの優れたミュージシャン達だが、曲ごとに顔ぶれは違い、複数曲に参加した人はいないという豪華さだ。

内容はかなりヴァラエティに富んでおり、フォーク、ニュー・ミュージック、J-POPなど、これまでのCharの語彙にはなかったような要素も含まれている。それらは人に任せ切ったからこそ表現できたCharの新たな、もしくは隠れていた、あるいはJL＆Cの結成以降あえて隠していた魅力、と言えるかもしれない。また、そういう作りからして決して全面的にギター・アルバムというわけではないのだが（純粋なギター・チューンとしては布袋が作った「Stormy Heart」があるが）、だからこそ本作に収録されたギター・プレイにおける“凝縮感”にはもの凄いものがある。還暦で０歳に戻ったCharの今後がますます楽しみになってきた。
（細川真平）