CHICKENFOOT Ⅲ/チキンフット

CHICKENFOOT Ⅲ/チキンフット
アーティスト名CHICKENFOOT
チキンフット
アルバム名 CHICKENFOOT Ⅲ
チキンフットⅢ

CD | WHD エンタテインメント | 2011年9月28日発売

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2ndなのに出来が良いので『Ⅱ』を飛ばして『Ⅲ』ということらしい。ライヴ盤を含めたトータルで13枚目を『Ⅲ』としたヴァン・ヘイレンは「12以上数えられないから」とトボけたが、どちらもタイトルにこだわりなし、要は中身…という意思表示も含まれているんだろう。チキンフットの2が3は、ヴァン・ヘイレンの13が3以上に混乱必至だが。

サミー・ヘイガー(vo)、マイケル・アンソニー(b)、チャド・スミス(dr)、ジョー・サトリアーニ(g)というキャリア十分のメンツを集めたチキンフットのサウンドは、彼らの肌に染み付いた70’sロックの原点を掘り返す、そんな志を感じさせる。例えばヘヴィ路線を猪突猛進する昨今のメタル・シーン。それはそれで良いが、古き良き時代のレイドバックも忘れたくない…という思いが伝わる作品は、結果、多くの共感を呼んだ。

今回は、その点がより深まったという印象だ。ハードか否かは問題外。例えばサミーの声がミック・ジャガーに聴こえる②は決してハードではないものの、これぞロック。これらは要するに、曲があってそれに合うアレンジが形式にこだわることなく自然になされた…ということだろう。サトリアーニのギターは、前作時に話していた「大事なのはソロではなく、楽曲であり、その骨子となるバッキング」の思いがそのまま進化している。これも心地よいレイドバック。

【文】福田真己