サンダー初の2枚組大作『DOPAMINE』、アイデア豊富なHR＆ ブルース・ロック

英ベテラン、『ALL THE RIGHT NOISES』（’21年）に続く第13作。実に順調なペースだが、コロナ禍でツアーに出られなかったのもあり、20曲書いて16曲に絞っても２枚組大作に。平均年齢還暦超とは思えないヘヴィな幕開けにも驚くが、それ以上に注目すべきは、安心安定のハード・ロック＆ブルース・ロックを主軸に据えつつ、多彩なアレンジが散りばめられたアイデアの豊富さ。ファンキーなノリと女性コーラス導入はもはや定番だが、ダークなグラム調やフィドル＋アコーディオン入り異郷テイストには、長年のファンも意表を衝かれるかも。ルーク・モーリー（g）のストラトとレスポールの絶妙な弾き分けもジックリ堪能したい。

【文】奥村裕司