アーティスト名 | DREAM THEATER ドリーム・シアター |
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アルバム名 | DREAM THEATER ドリーム・シアター |
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マイク・マンジーニ(dr)加入第2弾にして通算12作目。前作『A DRAMATIC TURN OF EVENTS』(’11年)のリリースから2年以上が経過しているにもかかわらず、あまり間が開いていないような気がするのは、それだけ同作の印象が強かったからか? しかし、いよいよマイクが曲作りに加わった本作も、それに負けない濃密な仕上がりに。冒頭インスト(3部構成ながら尺は2分40秒ほど)が、どちらかというとシンセやオーケストレーション主体のため、これは全体像もシンフォニックに…と思ったら、続いて先行公開済みのスピード感に満ちたメタリックなナンバーが飛び出し、さらに聴き進めるうちに、実は後者こそ本作の方向性を明示していることがはっきり見えてくるだろう。
もう1つの着目点は、ラッシュへのリスペクト。これまでも彼らは、この大先輩からの影響を隠してこなかったが、今作でも「The Looking Glass」「Surrender To Reason」の成りきり度は実に潔いというか…。またその2曲以外にも、ソリッドなベース・プレイを際立たせ、そこへギターやシンセのインプロやソロを乗せるパターンが「Along For The Ride」などで聴け、5部構成の大作曲「Illumination Theory」では、スリリングなバンド・パートからオーケストラ・パートへ移行し、再びバンドに戻ってくる展開部にて、しっかりラッシュがお手本にされている。ただ、「Illumination Theory」の前半やインスト「Enigma Machine」などでは、超絶技巧炸裂の定番ソロ・バトルも堪能できるし、「The Bigger Picture」にブライアン・メイっぽいフレーズが潜んでいたりもして、聴くたびに何か発見がありそうだ。
(奥村裕司)
’11年始め、マイク・ポートノイ(dr)が突然バンド離脱を宣言。その後、ドラム界の精鋭マイク・マンジーニを迎え入れ、ドリーム・シアターは新たな扉を開けたわけだが、ポートノイが抜けたことによるもう1つの変化は、プロデュースをジョン・ペトルーシ(g)1人で担当するということ。この点において、彼のモチベーションは高い。前作『A DRAMATIC TURN OF EVENTS』にはまだショックを引きずっていたという部分もあっただろうが、メンバー間の繋がりが強固になった本作は、前作以上の力の入りようだ。
そのプロデュースに大きく関係すると思われるのが、楽曲の緻密さの倍増しである。今回は当初からスタジオにレコーディング機材をセットし、その状態で曲を書き、採用するものはその場で録る…という豪華極まる手法を採っているが、スポンティニアスなそれでこのクオリティ。まだ何か秘密があるような気がするものの…、とにかく楽曲はどれも深く濃い。
それに呼応するように、ペトルーシのギターはアレンジ的な巧みさが特筆である。技を駆使した延々の弾きまくりは少々影を潜めたが、時に華麗、時に劇的なフレーズは、曲そのものを高揚させる優れもの。「何よりもメロディー優先」だという、彼の本質にそぐうプレイがアルバム中を占拠している。
今回のタイトルは結成以来初めてバンド名を冠している。「これこそが我々である」…そんな自信の表れだと見るのに、些かも無理はない。
(福田真己)