KING／フレッシュゴッド・アポカリプス

伊産エクストリーム荘厳テクニカル・デス・メタル・バンドの４作目。大編成管弦楽を模したキーボード・アレンジやクワイヤ導入により、前作で完成したシンフォニック様式をさらに過激に推し進め、今回はオーケストラ・パートのみでアルバム丸々１枚を独立した楽劇の大作として成立させるところまで、クラシック音楽の土台を重視している（限定盤にはオケ部分のみを抜き出したボーナスCD付き）。そこに怒濤のバンド演奏が乱入して生まれる攻撃的威圧感は、ほとんど誇大妄想の産物。圧倒的陶酔感の中、ネオ・クラシカルの手法を会得したクリスティアノ・トリオンフェラのリード・ギターが滑らかに疾駆する。

【文】平野和祥