ELECTRIC MESSIAH/HIGH ON FIRE 聴き手の感性を無慈悲に突き飛ばしてねじ伏せる、強圧的な傑作

ELECTRIC MESSIAH/HIGH ON FIRE 聴き手の感性を無慈悲に突き飛ばしてねじ伏せる、強圧的な傑作
アーティスト名HIGH ON FIRE
ハイ・オン・ファイア
アルバム名 ELECTRIC MESSIAH
エレクトリック・メサイア

CD | ビクター | 2018年10月5日発売

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ドス黒く凶暴な熱狂爆音ロックの使い手として比類なき個性を確立しているベイエリア産トリオの3年ぶり8作目。今回もスラッジ・サウンドのジェットコースター状態で聴き手の感性を無慈悲に突き飛ばし、ねじ伏せる強圧的な傑作だ。アルバム・タイトル曲はマット・パイク(vo、g)が敬愛する故レミー・キルミスターに捧げたとのことで確かにモーターヘッドっぽい爆走曲になっているが、ことギター・ソロに関してはむしろ彼のもう1人の師匠トニー・アイオミっぽさが過去最高に滲み出している印象。いずれにせよ、荒れ狂う爆音に古典的ハード・ロックの念が宿る瞬間が身震いするほどかっこいい。

【文】平野和祥