THE SEARCH FOR EVERYTHING/ジョン・メイヤー

THE SEARCH FOR EVERYTHING/ジョン・メイヤー
アーティスト名JOHN MAYER
ジョン・メイヤー
アルバム名 THE SEARCH FOR EVERYTHING
ザ・サーチ・フォー・エヴリシング

CD | ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル | 2017年4月26日発売

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’17年1月と2月にアルバムに先行して、4曲入りEPを2作品、デジタル配信のみでリリースしていたジョン・メイヤーが、その8曲に新たに4曲を加えた形となる通算7枚目のスタジオ・フル・アルバムを発表した。前々作『BORN AND RAISED』(’12年)と前作『PARADISE VALLEY』(’13年)ではアメリカ南部の音楽や土着的なムードを取り入れた曲が目立っていたが、本作では元のスタイルに戻ったという印象で、親しみやすいポップな楽曲が並んでいる。

クリーン・サウンドのギターによるカッティングをフィーチュアしたソウルフルでグルーヴィな曲に始まり、アコースティック・ギターを使ってのメロウなナンバー、カントリー・フレーヴァーのあるバラード、ウエストコースト・ロック系などなど、スタイリッシュな楽曲はどれも歌心に溢れており、ジョンの声も良い。ギターがあまり目立っていない曲もあるが、そういった楽曲の中でさえキラリと光るフレーズを差し込む辺りがさすがのセンスで、「Emoji Of A Wave」のアコによる洗練されたプレイなどはまさに彼ならではと言える。何曲かで聴ける枯れたサウンドによるメロディアスなソロも素晴らしく、特に「Helpless」「Changing」での繊細なトーンを活かした心のこもったプレイにはグッとくる。ヴォーカルやギターなどすべての面でジョン・メイヤーの魅力が存分に味わえるアルバムだ。

【文】Jun Kawai