WILL／Li-sa-X　オリジナル曲でさらに磨かれたプレイ・コントロール

中学生になったLi-sa-Xの1stアルバム。ボーナスを除く全曲が自身のオリジナル・インスト曲で、本格的なギター・インストゥルメンタルから元気で軽快なポップス調まで、驚くほど完成度の高い楽曲が収められている。天才少女の名をほしいままにしたその技巧は当然健在だが、もはやテクニックありきではなくなり、楽曲が要求するプレイを自在に操っている印象だ。デビューEP『SERENDIPITY』（’17年）にはまだあったプレイの硬さもすっかり取れ、楽曲／プレイともに彼女らしさがより自然に滲み出ている。その成熟ぶりに驚き騒ぐのも当然だけれど、僕としては成長の早さをお父さん目線でこっそり喜びたい。

【文】小澤明久