STONE PUSHING UPHILL MAN/PAUL GILBERT

STONE PUSHING UPHILL MAN/PAUL GILBERT

「今は何時間も掛けて練習して、人生最高の音を探しているところ。僕はまだまだ生徒だよ」

ブルース・ブイエとの対談(ヤング・ギター2014年1月号掲載)の最後にこう語っていたポール。アルバムの発表はまだまだ先かと思っていたが…、もしかして、この新作も「人生最高の音を探している」途中の経過報告なのか。そう思わせるフシもある作品だ。まず、収録された11曲中8曲がカヴァー。そのすべてで、ヴォーカル曲をインストに編曲している。資料には「ギターというシンガーによるアルバム」とある。つまり、人のヴォーカルをギターで弾いて、それによってギター・プレイの表現力を追求…ということなのかもしれない。

思えばポールは昔から、コピーに関してかなり熱心だ。クラシックの名曲を完コピしたり、ポップスからコード&コード進行を学んだり、ライヴではEL&Pの曲もやってたっけ。あと、前作『VIBRATO』(’12年)のタイトル曲では、まずカズーでフレーズを弾いてそれをギターでナゾる(これにより指グセ・フレーズを排除する)…という取り組みもしていたが、それも今回の試みに近いか!?

カヴァーしたのは、ラヴァー・ボーイ、エアロスミス、ジェームス・ブラウン、エルトン・ジョン、ザ・ビートルズなどの楽曲。それらの旋律をどうギターにトランスポーズしているか、それが聴きどころ。
(福田真己)