アーティスト名 | PERIPHERY ペリフェリー |
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アルバム名 | JUGGERNAUT : ALPHA ジャガーノート:アルファ |
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昨年2度の来日公演を行なった、ミーシャ“バルブ”マンソー(g)率いるアメリカの超絶技巧集団による約2年半ぶりとなるフルレンス・アルバムは、人物や物語の背景を軸に構成された『ALPHA』と、複雑な冒険の旅を描いた『OMEGA』の2作品から構成される壮大なコンセプト作で、メンバー6人が初めて共同でソングライティングを行なった大作だ。ポリリズムとシンコペーションを多用した複雑なリズム展開に7弦/8弦ギターを使用した超弩級リフを乗せたスリリングなテクニカル・プログレッシヴ・メタルで(メシュガーが提唱した)“ジェント・メタル”なる新ジャンルを定着させた彼らだが、クリーン・ヴォイスとスクリームを併用したキャッチーな歌メロと都会的なアンビエンス要素で不思議と敷居の高さを感じさせない聴きやすさも、大きな魅力の1つだ。
本作ではそんな彼らの独自性を残しつつ、コンセプトのストーリー展開に主軸を置いた曲作りがなされており、随所にスロー・パートを挟み込むことでこれまで以上に聴き手のイマジネーションを喚起する世界観が作り上げられている。2作品とも全体的にダークな作風だが、各楽曲のメロディーはこれまで以上に磨き上げられている。もっと超絶技巧パートがあっても良かったと思うが、静と動のダイナミズムに溢れた曲展開は聴けば聴くほど深みにハマる。
(Masa Eto)