アーティスト名 | ROTTING CHRIST ロッティング・クライスト |
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アルバム名 | RITUALS 儀式 |
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’90年代前半に興ったブラック・メタル叙情主義の気運をギリシャの地から支えた古参でありながら、日本での知名度がイマイチなのは、このバンドが真正の背徳の気配を宿しているからだろう。しかしその地下音楽臭ゆえ、彼らは今や世界の暗黒激烈メタラーの崇拝を集めるカリスマ。3年ぶり12作目の本作でも妖しい魔王賛歌を厳粛に描き、怪異マニアの期待に真正面から応えている。10年来磨いてきた重厚変態展開の路線を引き継ぎながら、“欧州辺境の地ギリシャ産”を意識したかのトライバルなビートを駆使して儀式色を強化。その熱狂の頂点でギターの泣きメロが高らかに鳴り響く。ドス黒い高揚を誘う作品。
【文】平野和祥