L.A.ガンズ12枚目フル、聴きどころはありつつも求心力を欠いた印象に…

15年ぶりにフィル・ルイス（vo）とトレイシー・ガンズ（g）のコンビが蘇った前作から約１年半を経て制作された12枚目フル。それまでの空白期間が嘘のように強力な完全復活作となった前作とは打って変わり、ブラック・サバス風のタイトル曲を始めとするダークでスリージーなミドル・テンポ・ナンバーを主軸に据えた本作は、音楽性も演奏もどこか求心力を欠いた印象で、多彩なアイデアの数々を丁寧にまとめ上げられずに作品にしてしまったかのような、中途半端な印象を抱かせる内容だ。トレイシーのスライドなど聴きどころもあるが、やはりマイケル・グラント（g）脱退で生じた穴は大きかった…。

【文】Masa Eto