トリート節満載の９作目、メロディアスなハード・ロックに不可欠な要素を凝縮

再結成後のアルバムが軒並み高評価というスウェーデンのベテランによる通算９作目で、本作も“トリート節”満載の強力作だ。「こういう曲、前作にもあったよね？」の繰り返しだが、このワン・パターンの美学とファンが求める音像を見事にシンクロさせる手腕は流石の一言で、前向きなエネルギーに満ちた歌唱とシンガロング必至の透明感溢れるコーラス、勢いある熱いギター・ソロに、王道の豪快なドラミングと、メロディアスなハード・ロックに不可欠な要素を詰め込んだ安定のクオリティ。どこかダークでシリアスな作風だった前作と比べると、キーボードの比重も増し、彼ららしいキャッチーな叙情性が復活！　

【文】Masa Eto