ジョージとプレイするのは誰だ!?　 “山本譲二「みちのく忘れ雪」ギター弾いてみたコンテスト”結果発表！

ヤング・ギター2024年５月号で告知した“山本譲二メタル化計画第２弾「みちのく忘れ雪」ギター弾いてみたコンテスト”の最終審査会が、５月２日、山本の所属レコード会社であるテイチクエンタテインメント社屋にて行なわれた。

“山本譲二メタル化計画”とは、「みちのくひとり旅」（1980年）の大ヒットで知られる演歌界の大御所：山本譲二のユニークなキャンペーン。第１弾として発売された「山本譲二メタルＴシャツ」は異例の好セールスを記録。そしてその第２弾として立案されたのが、今回のギター・コンテストだ。

本企画は、全国のギタリストに山本譲二の最新シングル「みちのく忘れ雪」のイントロをヘヴィ・メタル風にアレンジしてもらい、そのプレイ動画をSNSに投稿するというもの。優勝者には、今年７月にリリースされる山本譲二デビュー50周年記念シングル第１弾「妻よ・・・ありがとう」（作詞作曲：吉幾三）にボーナス・トラックとして収録予定のメタル楽曲「言論の自由」（作詞作曲：IKZO）にギタリストとして参加できる権利が与えられる。

今回、審査員を務めたのは山本譲二本人のほか、ヤング・ギター編集部エグゼクティブ・プロデューサー・上田慎也、ギター講師として名高い宮脇俊郎の３名。さらに司会進行としてテイチクエンタテインメント所属の敏腕プロデューサー：磯田繁男が参加…というメンバーで審査はスタート。最終選考に残った13人のプレイ動画を観ながら、喧々諤々の議論が行なわれた。

はじめに審査が行なわれたのは、テクニカルかつスムーズなフレージングを披露してくれた「真壁雄太」「Taichi Hasegawa」の２人。山本は「Taichi Hasegawa君のギターは“こういう編曲もあるよね”って感じで素晴らしかった」と絶賛。YG上田は「この２人の登場でコンテストのハードルが上がった気がする。テクニック的にズバ抜けている！」と太鼓判を押した。

続いてはメタル界で活動中の女性ギタリスト、「Illumina（ArkRoyal）」「Sally（Mellows、LOC）」の２名が登場。テクニックだけではなく、パフォーマンス面・ヴィジュアル面も考慮した２人の動画に、宮脇は「Illuminaさんのカメラ視線、Sallyさんの全身が映る画角でのパフォーマンスはインパクトがある」と称賛。山本に至っては「お２人の間に立ちたい。２年間ぐらい一緒に過ごしたい…」と意味深発言まで飛び出すほどだった。

＜キッズ枠＞にはギターSNS界隈でも有名な「三宅音太朗」「和氣夏子」「小２ギタリストそうちゃん」の３名がまさかの参戦。幼いながらも大人顔負けのプレイに審査会場が沸きに沸く。特に「最近、孫を世話するのが趣味」という山本には相当響いたようで、「俺、メタル好きになっちゃうよ！　子供たちに教えてもらえるものもたくさんあるねぇ」と満面の笑み。宮脇も「末恐ろしい…」と驚嘆していた。

そして山本譲二のマネージャーＳ氏が独断と偏見で選んだという＜気になる枠＞では、個性溢れるユニークなギタリストたちが登場。「丹部一志」は顔面に紫色のメイクを施しての参加。アレンジにひと捻りあったことも評価された。「茶ノ壺」はプレイにダイコン型の電動ドリルを使用するという荒業を披露。三番目「にのてる」はアンプを爆音で鳴らしたいがために中古マンションを購入し、自力で防音リフォームをしたという猛者。四番目「尾谷幸憲」（小生！）は今回のコンテストに企画協力したライターで、「山本譲二メタルＴシャツ」を着てプレイ。宮脇は「皆さん、自分の立ち位置をわかってらっしゃる。コンテストはこういう方たちがいるからこそ盛り上がる！」と各々の労をねぎらった。

ラストは高いスキルを持つ「yuta kataoka」「Ikesan」の２名のプレイを鑑賞。そのテクニックとエモーショナルなフレーズに審査員たちは唸りっぱなし。宮脇は「最後ゆっくりしたフレーズで締める方も多い中、yuta kataokaさんは速いフレーズで締めたのが目立った」と解説。山本も「専門的なことは言えませんけど、カッコいいし、すごい！」と熱く語った。

こうして13人のギター・プレイを聴き終え、ついに結果発表の瞬間が訪れた。まず“ヤング・ギター賞”は「yuta kataoka」に贈られることに。YG上田いわく「決め手は全体的なバランス。テクニックで見せるところ、メロディアスでエモーショナルに聴かせる部分のバランスがいい」と評価。

※ヤング・ギター賞については「yuta kataoka」他、YG編集部の選考により以下４名も受賞。

続く“テイチク賞”はキッズ枠の「三宅音太朗」に。宮脇は「ちゃんと弾ける上で、しかもこうやって盛り上がる動画を作ってくれた。セルフ・プロデュース能力が素晴らしい！」と讃えた。

あとはグランプリの発表を残すのみだが…ここでハプニングが発生。なんと山本本人から「待った！」が入ったのだ。「ここまでの長い人生、女性のみなさんに相当助けられて生きて来ました。参加してくれた３名の女性に“じゃあ、さようなら”とは言えません。彼女たちになんでもいいのであげてくれませんか？」

そんな鶴の一声で、急きょ“山本譲二賞”を設置。「Illumina」「Sally」、そしてキッズ枠の「和氣夏子」の女性３名に、山本本人が着用した著名メタル・アーティストのＴシャツ（山本の直筆サイン入り）を贈ることに。こちらは山本のマネージャーＳ氏がしっかり洗濯した上で進呈する予定だ。

そして気になるグランプリの受賞者は、厳正なる審査・議論の上、序盤に紹介された「Taichi Hasegawa」に決定！　ヴィブラートやチョーキングなどベーシックなテクニックが完璧な上、タッピングやスウィープといった難易度の高い技をさりげなく入れ込み、なおかつエモーショナルな表現を見せてくれたのが大きなポイントとなった。

最後に総評としてギター講師：宮脇はこう語ってくれた。「今回改めて思ったのは、演歌とディストーション・ギターの相性が良いこと。山本譲二さんのメタル楽曲もいい感じで仕上がるんじゃないかなって思います」

また、YG上田からはこんなコメントが。「グランプリのTaichi Hasegawaさんには新しいギター・ヒーロとして羽ばたいていただきたい。さらに山本譲二さんには“演歌界のオジー・オズボーン”のようになってほしいですね。オジーのギタリストたちは必ずギター・ヒーローになりましたから。譲二さんの隣りで弾いたギタリストが有名になっていくのを期待しています！」

気になる山本譲二のコメントだが、審査会の直後、１時間に渡る熱いインタビューが取れた。後日、当ウェブにて公開予定だ。期待して待て！