来る3月15日(土)・16日(日)に第9回目が開催される、国内最強のスラッシュ祭り“THRASH DOMINATION”。エクソダスに続き、今回はヴォイヴォドを紹介していこう。
VOIVOD – ヴォイヴォド
それまで一度も日本にくることのなかった数々のスラッシュ・バンドを招聘したのも、スラドミの功績の1つだ。’08年の第5回で初来日したヴォイヴォドは、日本のスラッシャーが来日を待ち望みながらも実現しなかった大物であった。
ヴォイヴォドはカナダはケベック州の出身で、結成は’82年。’84年に『WAR AND PAIN』でデビュー以降、’86年に『RRROOOAAARRR』を、’87年に『KILLING TECHNOLOGY』と、順調にアルバムがリリースされている。ドラマーのアウェイが描いた鋭角的で不気味なイラストと政治的な歌詞も話題になったが、何よりメタル/ハードコアのみならずプログレからの影響も強かった彼ららしく、暴力的な中にも凝った展開を盛り込んだ知的で斬新な音楽性が最大の特徴だった。このプログレ性は作を重ねるごとに顕著になっていき、アヴァンギャルドな看板ギタリスト:ピギーのユニークなプレイも、純粋なスラッシュから’70年代ロック的な方向に傾いて行く。そういった試みが結実したのが、完全に脱スラッシュしながらも音楽的に高い評価を得た’93年の6th『THE OUTER LIMITS』だろう。
6th制作前にベースのブラッキーが、さらに’94年にヴォーカルのスネイクが脱退したため、エリック・フォレスト(vo, b)が加入。この時代に発表された数枚のアルバムでは、パンテラなどに代表される当時のヘヴィ・ロック・シーンからの刺激も反映されたものにサウンドが変化していた。
その後スネイクが復帰することで徐々に元来のヒステリックさを取り戻し、元メタリカのジェイソン・ニューステッド(ジェイソニック)が加入するなどといった人事異動も経て活動を続ける。が、’05年にピギーが病死。彼の生前に録ったギターを使って『KATORZ』(’06年)が発表されている。
バンドの未来がどうなるのか不明瞭な中、サポート・ギターのダニエル・モングレインと復帰したブラッキーを従えて、先述の初来日を果たしたヴォイヴォドは、最終作として’09年に『INFINI』をリリースしている。しかしその後もヴォイヴォドはダニエルを正式メンバーに迎えてバンド存続を選択し、’13年に『TARGET EARTH』が発表されている。
ヴォイヴォドの他に類を見ない、金属的なトーン&フレージングと摩訶不思議な楽曲展開は、ライヴにおいてもさらなるパワーをもって再現されている。スネイクらオリジナル・メンバーのクレイジーなアピアランスはもちろん、ピギーの確立したバンドの持ち味を蘇らせながら、さらに高度なテクニックで自分のカラーを打ち出す脅威のテクニシャン、ダニエルのギター・プレイも見逃せない。
THRASH DOMINATION 2014 公演概要
日程:2014年3月15日(土)・16日(日)
会場:CLUB CITTA’(神奈川県川崎市)
開場:15:00 開演:16:00
出演:エクソダス、ヴォイヴォド、サンクチュアリ、アーティレリー
チケットなどその他の情報は、以下特設ページをチェック!
THRASH DOMINATION 2014 / スラッシュ ドミネーション 2014