ハード・ロック/ヘヴィ・メタルのタイトなリフは、正確なリズムがあってこそ輝くものだ。ここでは魔界のリズム・マスター:ISAOを講師として招き、メタル・ギタリストを奮い立たせる実戦的リズム強化フレーズの数々を紹介していただくとしよう。
なお、当ページの最後には、ヤング・ギター12月号の誌面には掲載されていない超上級者向けポリリズム編(Ex-16〜Ex-18)の譜面と解説を掲載している。腕に自信のある人はそちらにも挑戦を!
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Openingオープニング
Ex-1[8分音符 スタンダード編]ダウン・ピッキングで統一するベーシック・リフ
Ex-2[8分音符 スタンダード編]低音弦に動きを加えた緊迫感のあるロック・リフ
Ex-3[8分音符 スタンダード編]イレギュラーなピッキング順で弾く単音リフ
Ex-1〜3解説
Ex-4[16分音符 スタンダード編]16分×2つと8分×1つの刻みが肝
Ex-5[16分音符 スタンダード編]目まぐるしい弦移動を鍛えるエクササイズ
Ex-6[16分音符 スタンダード編]コード、単音、休符が入り交じったリフ
Ex-4〜6解説
Ex-7[8分音符 3連&シャッフル編]パワー・コードをアクセントにした跳ね系リフ
Ex-8[8分音符 3連&シャッフル編]フィンガー・ピッキングを取り入れた3連リフ
Ex-9[8分音符 3連&シャッフル編]プリング多用で左手のリズム・キープを強化
Ex-7〜9解説
Ex-10[16分音符 6連&シャッフル編]ノリがつかみづらい16分シャッフル・リフ
Ex-11[16分音符 6連&シャッフル編]複雑な運指とピッキングでも跳ねをキープ
Ex-12[16分音符 6連&シャッフル編]シーケンスが徐々にずれるポリリズム・リフ
Ex-10〜12解説
Ex-13[16分音符 高速編]パーカッシヴなミュートで疾走感を表現
Ex-14[16分音符 高速編]タイトな休符表現が求められるジェント的リフ
Ex-15[16分音符 高速編]スラップを取り入れた超難関エクササイズ
Ex-13〜15解説解説
本誌未掲載譜例:Ex-16、Ex-17、Ex-18
Ex-16[ポリリズム編]休符のタイミングが肝になる難解リフ
Ex-16は典型的なポリリズム手法を用いた単音リフ。ドラムのビートは譜面の通り4/4拍子で6小節だが、ギター・フレーズは3拍ずつでパターンが変化していくため、脳内では3/4拍子が8小節あるものとしてカウントを取っていくのが良いだろう。ISAOの右手の挙動は完全な16分のオルタネイトではなく、各所の16分休符直後の4音でピッキング方向がひっくり返っているのが特徴的。ここは5〜6弦間をインサイドで弾くかアウトサイドで弾くかの問題なので、各自の演奏しやすいピッキング方向でチャレンジしてみよう。
Ex-17[ポリリズム編]キツいストレッチを加えた和音フレーズ
Ex-17は3/4拍子が2小節分でひとまとまりとなるフレーズ。低音弦と3、4弦の和音をアウトサイド・ピッキングで挟み込むように弾きこなしていこう。2弦開放が綺麗に鳴らせるように小指を立てて押弦するのを忘れずに。3/4で大きくカウントできるのがベストだが、ドラムのアクセント位置からすると7/8 + 5/8でひとまとまりとして解釈しても問題ない。
Ex-18[ポリリズム編]低音弦側だけで構成された複雑怪奇リフ
Ex-18は開放弦+パワー・コード形の5度の音を鳴らすことで展開するプログレッシヴ・リフ。4小節目まではアウトサイド・ピッキングで丁寧に弾きこなしていき、5小節目からはピッキング・ハーモニクスの成分を込めた高速ダウンで押し切ろう。カウントの取り方だが、前半のグルーブはスネアの位置的に1〜2小節目を6拍、3〜4小節目を8拍と捉えた上で3連8分の解釈で弾くのがオススメ。後半となる5〜7小節は前半弾いた内容に16分音符6音を付加して48音(4/4拍子が3小節)にまとめたものだが、ここは「4/4拍子が3小節ある」と考えるよりも、冒頭から「6/8、3/8、6/8、3/8、3/8、3/8」という分解をした方が取り組みやすいだろう。