ここでは、2002年3月に行なわれた“WAGES OF SIN”ジャパン・ツアーにおけるマイケルとクリスのメイン・ギターを見ていこう。
Michael Amott
来日時、マイケルは2本のギターを帯同しており、ESP製カスタムVシェイプ・ギターのホワイト・フィニッシュとブラック・フィニッシュを使用。このうち前者がメインで、『WAGES OF SIN』のレコーディングでは、クリスのパートを含めてリズム・ギターはすべてこの白いVシェイプ・ギターでプレイされたという。
丸みのあるラウンド・ヘッドや指板のブロック・インレイなど、’70年代後半製のギブソン・フライングVを再現したようなルックスが特徴的で、マイケル・シェンカーの大ファンであるマイケルがこれを気に入って使用していたであろうことは想像に難くない。ピックアップはセイモア・ダンカン製ハムバッカー×2(モデルは不明)をマウント、当時マイケルは「プレイ的にも、サウンド的にも、凄く満足がいく」と語っていた。
Christopher Amott
クリスはライヴ用に3本──すべてクリスのシグネチュア・モデルであるキャパリソン “Dellinger-CA”のプロトタイプを帯同。その中でもメインとして使用されていたのが、ボディーに入れられたアーチ・エネミーのトレードマークがシルヴァーで、さらにラメが入った1本(他の2本は、トレードマークがシルヴァーでラメなしと、トレードマークがゴールド…という違いがあった)。これが『WAGES OF SIN』で使用されたものと同じギターであるかは不明だが、レコーディングでは一部のリード・パートでこの“Dellinger-CA”も使用されたそうだ。
ピックアップはネック側とミドルがセイモア・ダンカンのシングルサイズ・ハムバッカー“Hot Rails”で、ブリッジにはキャパリソンのオリジナル・ハムバッカー“PH-R”をマウント。ブリッジはフロドローズ・ライセンスのシャーラー製“S-FRT Ⅱ”だ。ボディーはマホガニー、ネックはメイプルで指板はエボニーが採用されている。なお、ボディーのトレードマークがゴールドのモデルはボディー材がメイプルだが、当時のクリスいわく「サウンドの違いは僅かなもので、見た目の印象でシルヴァー(&ラメ入り)の方を使っている」。