EF86真空管を用いたDr.Zアンプとのコラボ・ペダル
トラディショナルなエフェクト・ペダルを軸足にしつつ、ひとひねりした付加機能などの搭載で常識を覆すサウンドを生み出すユニークな製品作りで知られるアースクエイカーデバイセス。今回紹介する同社の新製品は、ギアとしてはシンプルながら、やはり独自のこだわりが込められたペダルだ。
“ZEQD-Pre”はモデル名が示唆する通りペダル型のプリアンプ。その肝となっているのが、同社と同郷である米オハイオ州に拠点を置くDr.Zアンプリフィケーションで、本機は両者のコラボレーションにより、Dr.Zのアンプ・サウンドをペダルで再現したものとなっている。Dr.Zと言えば、腰のあるクリーン・トーンやクランチ・トーン、豊かなサステインと押し出しのあるサウンドなどが高く評価されているアンプ・ブランド。そのサウンドを再現するに当たって、大きな鍵となっているのが真空管だ。
本機に用いられているのは“EF86”という真空管。UK製やUS製の古いコンボ・アンプで一時期使われていたもので、Dr.Zでは“STANG RAY”や“ROUTE 66”といった初期の名機がこの真空管を採用していた。一般的な“12AX7/ECC83”が双三極管なのに対し“EF86”は五極管で、高い電圧を扱えるためダイナミック・レンジが広く、高域から低域まで幅広い帯域もしっかり再生してくれるというメリットがある。クリーン・トーンの煌びやかさや音の速さ、タッチの繊細な表現という、Dr.Zアンプの高い評価の源もここにあると言っていいだろう。
試奏では本機をアンプのインプットやリターン端子などに接続した他、ライン・アウトからモニター・スピーカーへつないだサウンドなどもチェック。とにかくクリーン・サウンドの存在感が大きく、非常にアメリカンな音だと感じた。ゲイン・コントロールはないため、単体でオーヴァードライヴほどの歪みを得ることはできないものの、クランチ・サウンドは極上でサステインも豊かだ。3つのEQはBassが20Hz〜400Hz、Middleが400Hz〜2kHz、Trebleが2kHz〜20kHzに作用し、的確に音色補正してくれる。Boostノブとスイッチによりフルレンジ・ブースターとしても活用できるが、その際は3つのEQがバイパスされる点に留意してほしい。
上述した通り、本機単体で十分な歪みを得ることは難しいものの、現代の音作りは確かなクリーン・トーンを土台に、ドライヴ・ペダルを組み合わせて歪みサウンドを緻密に作っていくという手法も注目を浴びている。その点からすると、コンパクト・サイズでペダルボードにも組み込みやすく、安定したクリーン・サウンドを作ってくれる本機は、非常に頼もしい機器と言える。



試奏動画 EarthQuaker Devices | ZEQD-Pre
製品概要 EarthQuaker Devices | ZEQD-Pre
●プリアンプ真空管:EF86×1
●入出力端子:インプット、アウトプット、
ヘッドフォン・アウト、ダイレクト・アウト(XLR)
●コントロール:Boost、Level、Bass、Middle、Treble
●スイッチ:Activate、Boost、Ground Lift、Cab Bypass
●電源:DC9V(500mA)
●サイズ:100(W)×149.2(D)×69.9(H)mm
●重量:570g



