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ダイナスティ ライヴ・レポート&インタビュー 2017

インタビュー●斎藤新吉 Shinkichi Saito 写真●野田雅之 Masayuki Noda

日本盤ではギター・ソロが長くなっているんだ

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YG:デビュー作の『BRING THE THUNDER』はつい先頃初めて日本盤でリリースされましたが、今聴き返してみての感想はいかがでしたか? ただマイクはこの時点ではまだメンバーではなかったですが。
マイク:俺の印象としては、クリアでフレッシュ、嘘のないアルバムだね。
ラヴ:正直に言って良いんだぞ(笑)。
マイク:いやいや(笑)。実は(完成後にマイクが加入したアルバムである)2nd『KNOCK YOU DOWN』(’11年)と比べても、この1stの方が好きだったりするんだよ。今のダイナスティとはサウンドが異なる部分も多いけどね。今晩のライヴでも何曲かやる予定だよ。自由にギターを弾く余地があって、しかも曲としてのインパクトは強烈。弾いていて楽しいんだ。

YG:確かに今のダイナスティの楽曲はプログレッシヴというか、バッキングのギターもかなり忙しいですもんね。
ラヴ:そう、1stの曲はロックンロールなんだよ!

YG:では今回持って来た機材を教えてもらえますか?
ラヴ:俺のギターはギブソン・レスポール。ピックアップはセイモア・ダンカンの“’59 Model”がフロント、“JB Model”がリアだ。伝統的な組み合わせだね。エフェクトはBOSSの…。
マイク:“GT-100”だろ。
ラヴ:ありがとう(笑)。これはディレイとチューナー、ヴォリューム・ペダルを使っているだけで、歪み系とかの他のエフェクトは使わないよ。それに大量のペダルを足下に置くより、いくつかの機能がまとまったものを1つ置く方がトラブルも減るし、“GT-100”があればまったく問題ない。アンプはマーシャル“JVM410”を借りた。普段は俺もマイクもエングル“Powerball”を使っているんだけど、“JVM410”もウォームで自然な歪みを得られるし、同時にモダンなサウンドも出せるから満足だよ。
マイク:俺も大体ラヴと同じで、ギターはESP“Eclipse”にセイモア・ダンカンのピックアップを載せているよ。ペダルはBOSSの“GT-10”だけど、俺もディレイとほんのちょっとEQをかける程度の使い方だ。アンプ自体の音に満足しているから、そこに色々と機材を足す必要はあまりないんだよね。ただ“GT”シリーズは、ツアー先で満足のいくアンプがない場合はPAに直でつないでアンプとして使えるのもいい。そういう場合は“GT”に内蔵されてる歪みとかを使うよ。

YG:メイン・ギターは「The Human Paradox」のPVで使っていたものと同じですよね? レコーディングでもそれらを使っているのですか?
マイク:そうだよ。今回日本に持って来たのもそれぞれ1本だけだし。バックアップ用は日本で借りた。
ラヴ:俺達のメイン・ギターは働き者なんだよ(笑)。
マイク:他にフェンダーやアイバニーズも持っていて、それぞれに魅力があるんだけどね。俺とっては“Eclipse”が、ラヴにとってはレスポールが“ベイビー”なんだ(笑)。

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YG:ところで、お2人とも古くからの友人同士だそうですが、ギタリストとしての影響源も同じようなところにあるのでしょうか?
マイク:そうだね。それにお互いが影響し合っているとも言える。
ラヴ:マイクと俺は12歳の頃から一緒にギターを弾いているんだ。ギターを始めた時期自体がほぼ同じだし、「こんな音楽があるぞ」って教え合っていたんだよね。
マイク:音楽はもちろん、ギターやアンプ、エフェクト・ペダルについても情報を教え合っていたね。ある時期は2人ともまったく同じ機材の組み合わせになったことがあったぐらいだし(笑)。今だって、理想のサウンドを追い求めた結果、2人とも“Powerball”を使うことになったからね。

YG:似たもの同士なんですね(笑)。やはり母国の英雄であるイングヴェイ・マルムスティーンからの影響は…。
マイク:イングヴェイ!
ラヴ:もちろん尊敬しているよ! イングヴェイというギタリストは過去最高、かつ今後彼に匹敵するプレイヤーは出て来ないだろうってぐらいに素晴らしい。スケールを正確に弾く超絶テクニックの持ち主であるのはもちろん、彼の素晴らしいところはフィーリングなんだよ。ただ速いだけじゃない。
マイク:そう、彼の何が最高なのかって、あのトーンだよ。音一発で人を納得させる力がある。すべてを持ち合わせた最強のギタリストだね。

YG:そうなんですよね。イングヴェイのプレイは速いだけで感情がこもってないという声もたまに聞きますが…大きな間違いですよね。
マイク:そうそう、見当違いもいいところだ。

YG:2人ともリードを弾きますが、ほぼ半々ぐらいで分け合っているのですか?
ラヴ:大体それぐらいの分け方かな。ソロ・パートを作った方が実際に弾くという感じでね。
マイク:それに俺達の曲にはツインのハーモニー・パートも多いし。

YG:3rdの『SULTANS OF SIN』に入っていた「Bastards Of Rock & Roll」には掛け合いのソロもありましたね。
マイク:そうだね。そういう掛け合いも楽しみとしてやっているんだ。
ラヴ:あの曲のリード・パートは一発録りだったんだよ。
マイク:そういえばあの曲、日本盤ではエンディングのギター・ソロが長くなっているんだ。

YG:それは日本人がギター・ソロが好きだという情報をつかんでいたからですか?
マイク:その通りだよ(笑)。
ラヴ:ソロがたっぷり入った曲が好きなんだ。もちろん曲に合ってることが重要だけどね。何の意味もなく長くしたってしょうがないからさ。