HARDWIRED…TO SELF-DESTRUCT/メタリカ

HARDWIRED…TO SELF-DESTRUCT/メタリカ
アーティスト名METALLICA
メタリカ
アルバム名 HARDWIRED...TO SELF-DESTRUCT
ハードワイアード...トゥ・セルフディストラクト

CD | ユニバーサル インターナショナル | 2016年11月18日発売

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「Hardwired」「Moth Into Flame」と由緒正しいメタル・ナンバーを先行発表した時点で、次作は激烈スラッシュ・メタル満載かと乱暴な予想をしていたものだが、そう単純なものを出さないところがメタリカらしい。2枚組で12曲収録。豪快な場面展開をいくつも含むミドル・テンポの曲が多め。この辺りからはメタリカ流『THE BOOK OF SOULS』(アイアン・メイデン/’15年)というイメージを抱いた。『METALLICA』(’91年)のリフで『…AND JUSTICE FOR ALL』(’88年)を作ったというか、シンプルでグルーヴィだが実は複雑。冒頭で「Am I Evil?」そのまんまかと思った「Confusion」も終わるまでに数度の波乱が。リリース前に一度聴いた段階で、シンプルと見せかけて聴く度に発見のあるアルバムなんだという気がしている。

メタリカというバンドの何をもってクールと思うかは人それぞれだが、NWOBHM直系のリフと、理論的なのかノリの産物なのか判別の付かない変拍子や転調、個人的にはこれらがあるから彼らはカッコいいと感じていた。で、本作にはそういう要素が確実にある。それらを今のメタリカがこねくり回して正調進化させた結果なのだという印象だ。ともあれ、モーターヘッドばりにドカドカうるさい演奏とレインボーにも通じる整合感が併存したラスト曲を聴けば、誰もが「これがメタリカ!」と思うことは間違いない。