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ワールドワイドで培った強靭さに可憐さも見せたLOVEBITES東京公演!

ワールドワイドで培った強靭さに可憐さも見せたLOVEBITES東京公演!
レポート●村上孝之 pix●Shingo Tamai

昨年12月に2ndフル・アルバム『CLOCKWORK IMMORTALITY』をリリースし、今年の1月から全国ツアーへと旅立ったLOVEBITES。2018年夏には“Wacken Open Air”や“Bloodstock Open Air”といった海外フェスに出演、同秋には初のヨーロッパ・ツアーを行ない、そして2ndアルバムの制作という一連の流れの中で彼女達が得たものを披露する場ということで、今ツアーに対するファンの期待が跳ね上がっていたことは想像に難くない。去る1月27日にマイナビBLITZ赤阪で行なわれた東京公演は2階席に立ち見客が出るほどの盛況ぶりを見せ、熱気が渦巻く中でのライヴとなった。

場内が暗転して、ステージ前面に降ろされた薄いスクリーンにオープニング映像が映し出されると同時に、LOVEBITESのメンバー達のシルエットが浮かび上がる──客席から「ウォーッ!」という歓声と拍手が湧き上がり、澄んだアコースティック・ギターのイントロダクションから一気に炸裂する「Addicted」からショウは始まった。眩いオーラを放ちながらステージを行き来して、パワフル&エモーショナルなヴォーカルを聴かせるasami。スリリングなソロ・バトルから息の合ったツイン・リードへと移行する華麗なギター・プレイを展開するmiyakoとmidori。ホットなステージングを見せつつファットな重低音を紡いでいくmihoと、高速2バスを織り交ぜたタイトかつ力強いリズムでバンドを牽引するharuna──5人の存在感は圧倒的で、会場の広さを微塵も感じさせないことに驚かされた。

LOVEBITES miyako

その後は「こんばんは、BLITZ! この場に立てて嬉しいです。ありがとうございます。今日はここにいるみんなで最高の夜にしましょう!」というasamiの挨拶を挟みつつ、様式美メタルに通じるテイストを活かした高速チューン「Bravehearted」やメロディアスな「The Crusade」、勇壮な雰囲気の「Pledge Of The Savior」などをプレイ。正統的なメタル・テイストとキャッチーなメロディーをマッチングさせた楽曲群はライヴ映え抜群だし、演奏力の高いバンドならではのタイトなサウンドも心地よい。爽快感を湛えたハードネスの応酬にオーディエンスも熱いリアクションを見せ、ライヴが進むに連れて場内のヴォルテージはどんどん高まっていった。

LOVEBITES midori

メリハリの効いた場面転換をフィーチュアした「Rising」で前半を締め括った後、中盤ではキャッチーなサビ・パートを配した「Scream For Me」やダークな「Break The Wall」、力強く疾走する「Shadow Maker」などが演奏された。LOVEBITESのライヴは楽曲の良質さに加えて、プレイの観どころが多いことも魅力といえる。爆音の中にあっても埋もれることのないロー・ヴォイスから突き抜けるようなハイ・トーンまでこなす声域の広さ(高音域の声もファットなため耳障りな歌にならないのはさすが)や豊かな声量、安定したピッチを誇るヴォーカル、テクニカル&エモーショナルなギター、フィンガー・ピッキングでそれぞれの楽曲にフィットするニュアンスを使い分ける巧みさやボトムを支える安定感が光るベース、高速の2バス連打やスピーディーなフィル・ワークなどを全力で叩き切るドラム…と、すべてのパートが上質で楽しめた。

LOVEBITES miyako

特に、miyakoとmidoriが織りなすハイ・レベルなリード・ギターは必見といえる。フル・ピッキングの速弾きやスウィープ・ピッキング、タッピング、スキッピングといった難易度の高いプレイを余裕の表情でこなすのはもちろん、常に情感や歌心を失わない辺りも見事。また、“泣き”にこだわりを見せるmiyakoと、よりフラッシーなmidoriというキャラクターの違いを味わえることもポイントだ。高度なテクニックと華やかさを併せ持ったギター・プレイを目指している人には、LOVEBITESをチェックすることを強くお薦めしたい。

ストーリー性を感じさせる壮大な「Above The Black Sea」でさらに世界観を深めた後、miyakoが奏でる静謐なピアノとasamiのしっとりとした歌声を活かした導入部からダンサブル・チューンに移行する「Empty Daydream」を皮切りにライヴは後半へ。「M.D.O.」や「Journey To The Otherside」「Edge Of The World」といったハード・チューンが畳みかけるように演奏された。激しいステージングを展開しながら轟音を鳴り響かせるメンバー達は、ここまでの精力的なライヴ活動で身につけた持久力が活きてか、後半に入ってもパワー・ダウンすることはまったくない。そんなバンドの熱演に熱いリアクションを見せるオーディエンス──マイナビBLITZ赤阪の場内は膨大なエネルギーに満たされた状態と化し、本編を締め括った「We The United」ではまるで本公演がツアー・ファイナルであるかのような怒涛の盛り上がりを見せた。

LOVEBITES midori

ツアー半ばにして完成度の高い充実したライヴを披露してみせたLOVEBITES。昨年夏からの活動を通して彼女達がさらなるスキル・アップを果たしたことは、ライヴの随所で感じることができた。ワールドワイドで活動したいと公言しているバンドにふさわしいポテンシャルの高さや強靭さを持ちつつ、日本のガールズ・バンドならではといえる繊細さや可憐さを備えていることも彼女達の魅力といえる。

もうひとつ、長いMCやメンバーの素顔が垣間見える演出といった、いわゆる“和みタイム”が一切ないことも印象的だった。最近の邦楽バンドには珍しいほどシリアスな雰囲気のライヴに強く惹き込まれたし、純粋に音楽だけで勝負して場内を埋めたオーディエンスを熱狂させたのはさすが。今回のライヴを体感して、彼女達が突き抜けた存在になることを確信するとともに、さらに進化していくことも予感させただけに、今後のLOVEBITESの活躍が本当に楽しみだ。

LOVEBITES

LOVEBITES @マイナビBLITZ赤阪 2019. 1. 27 セットリスト

1. Addicted
2. Bravehearted
3. The Crusade
4. Pledge Of The Saviour
5. Rising
6. Scream For Me
7. Break The Wall
8. Shadowmaker
9. Above The Black Sea
10. Empty Daydream
11. M.D.O.
12. Journey To The Otherside
13. Edge Of The World
14. We The United
[encore]
15. Epilogue
16. Don't Bite The Dust
17. Under The Red Sky