ギター三昧、ロック三昧の4時間! “Marshall GALA 2” @キネマ倶楽部 2019.11.9

ギター三昧、ロック三昧の4時間! “Marshall GALA 2” @キネマ倶楽部 2019.11.9

レポート●蔵重友紀 Yuki Kurashige(YOUNG GUITAR) 写真●Shigeyuki Ushizawa、Nica Azuma

世界に誇るギター・アンプの老舗ブランド、マーシャル公認のライヴハウスに東京のキネマ倶楽部が選ばれたのは2016年。それを記念して同年、多数のミュージシャンがマーシャルの壁をバックにライヴを行なうイベント“Marshall GALA”が行なわれ、大盛況となったのだが、その第2弾となる“Marshall GALA 2”が、2019年11月9日(土)、同会場にて行なわれた。今回も、本国イギリスよりジョナサン・エラリー社長夫妻とマーケティング担当アレックス・クームズ夫妻が来賓に迎えられ、ヴァラエティに富んだミュージシャンが多彩なパフォーマンスと個性豊かなマーシャル・サウンドを鳴り響かせてくれた。その様子をお届けしよう。

THE CORAL CANDIES

トップ・バッターは華やかに、ガールズ・グループ“THE CORAL CANDIES”が務めた。国産女性ハード・ロッカーSHOW-YAのギタリスト:五十嵐☆sun-go☆美貴をリーダーに、同バンドの人気ナンバーを若手ミュージシャンと共に半セルフ・カヴァーしていくスペシャルなプロジェクトで、「私は嵐」で始まるのだから、盛り上がらないわけがない。まずは大山まきのヴォーカルが、“本家”さながらにパワーとガッツと艶っぽさで聴かせてくれる。ベース・ソロをキメるAzuのベースとMayoのドラムも疾走感たっぷりだ。プログレ・メタル・テクニシャンの池尻喜子も、笑顔をいっぱいに振りまきながら「BATTLE EXPRESS」で高難度のキーボード・ソロをコナしていく。

そんな若い世代のハジけるようなエネルギーを、sun-goのギターとマーシャルから放たれる豪快なディストーション・サウンドがしっかりと支えているのが印象的だった。丁寧な指捌きによる安定したグルーヴを打ち出す一方、リードではぐいぐいとアンサンブルを引っ張って行く。大人気ナンバー「Fairy」「限界LOVERS」での、ソロ・パートのテクニカル度とスケールの大きなサウンドも別格で、スタート早々“うるさいギター”でたっぷり観客を楽しませてくれたのだった。

THE CORAL CANDIES セットリスト

1. 私は嵐
2. BATTLE EXPRESS
3. Fairy
4. 限界LOVERS

HELL FREEZES OVER

スラッシュ・メタル黎明〜全盛期の’80年代からはや40年が経とうかという今も、その音楽性とアグレッションを受け継ぐ若いバンドは世界中に生まれ続けている。国内でその威力を見せているのがHELL FREEZES OVERだ。疾走感抜群の「BURN YOUR LIFE」が始まると、現代にタイムスリップしてきたかと思うほど、コテコテのオールドスクール・スラッシュ・サウンドが爆発! TREBLE “GAINER” AIDYSHO(vo)がハイ・トーン・シャウトを響かせ、幅広い年齢層が集まったと思われるオーディエンスに、分け隔てなく威勢よく声をかけていく。観客もその熱いサウンドを楽しんでいるようで、座席から立ち上がり、頭を振る姿も目立っていた。

ミッド・テンポの「GRANT YOU METAL」では、上手でボロボロの白いフライングVを操るRYOTOが、中域の太さを効かせたサウンドで重厚なダウン・ピッキングによる重厚なリフを刻み、軽快なタッピング・ソロのような柔軟なプレイも見せていく。「END THE BREATH OF THE NIGHT」では、黒いVを手にしたHIROTOMOがトレブリーなトーンでテクニカルなリックを披露。2人の音が合わさって、分厚いツイン・ハーモニーを奏でる瞬間も見事だ。激速チューンの「OVERWHELM」では楽器隊全員のソロ回しもキマり、最後まで全力疾走をみせてくれた。

HELL FREEZES OVER:HIROTOMO

HELL FREEZES OVER セットリスト

1. BURN YOUR LIFE
2. GRANT YOU METAL
3. END THE BREATH OF THE NIGHT
4. OVERWHELM

Kelly SIMONZ Co. with GENKI

ここでムードが一変し、ステージがダークな照明に包まれる。Kelly SIMONZの登場だ。ドラムにはこの後も出演が控えるSilexの石川達也、ベースにはKellyのバンドBLIND FAITHのKAZというトリオ編成で、“壁”をバックに自身のネオクラ・ハード曲「Future Destination」を颯爽とプレイ。さらにゲスト・ヴォーカルのGENKIを呼び込んで、レッド・ツェッペリンのカヴァーを「Since I’ve Been Loving You」「Whole Lotta Love」と2連発キメてくれた。絶品ヴォーカルのパワーが加わるとバンドのアンサンブルにも熱が加わり、会場から大きな歓声が沸き起こった。

ジミー・ペイジのカヴァーは初披露だと言うKellyは、そのリスペクト魂を全面にアピール。味のあるフレージングやテルミン風の仕草も交えて(!)説得力の高いパフォーマンスを見せた。自らのお家芸であるシュレッドを盛り込んだソロも、あくまで響きはブルージーにまとめて一体感をキープ。ギター&ヴォーカルの掛け合いもバッチリだ。タイトなサウンドで古き良きロック好きの心を強く揺さぶったステージは、あっという間に感じられるほど濃密だった。

Kelly SIMONZ Co. with GENKI セットリスト

1. Future Destination
2. Since I’ve Been Loving You
3. Whole Lotta Love

THE GUV’NORS

“Marshall GALA”というだけあって、やはりギター・サウンドはこのイベントの主役の1つ。スペシャル・プロジェクト第2弾として舞台に集ったのは、マーシャル製エフェクターをその名に持つ“THE GUV’NORS”だ。Choji(I Don’T Like Mondays.)、MASHA(Silex)、真壁雄太という若い世代のギタリスト3名が一堂に会し、1曲目にゲイリー・ムーアの「Back On The Streets」をプレイ。テンポの速い16分音符のアルペジオによる幕開けを、ギター3人で豪華に再現してみせた。ソロ回しの時間もたっぷり取られているところは、まさにギター・ファンのためのエンターテイメント。Chojiがレスポールならではの太くウォームなサウンドによるエモーショナルなプレイを聴かせれば、MASHAはストラトらしく歯切れの良いトーンによる泣きのシュレッドで返答。真壁の流麗なスピード・リックの連発もテンションを高める。3つ巴のギター・バトルだ。

イベントのためのオリジナル曲も用意されており、Chojiがファンキーな色合いの「Sanctuary」、MASHAがロックンロール魂を込めた「Got A Large Ambition」をそれぞれ披露。石川と笠原 藍(b)とのコンビネーションもよく、一夜限りのバンドで終わるとは思えないタイトなアンサンブルだ。下手上方のサブステージに続く階段を真壁が駆け上がり、そこでソロを弾き続けるなど、エネルギッシュなパフォーマンスは留まるところを知らなかった。

THE GUV’NORS セットリスト

1. Back On The Streets
2. Sanctuary
3. Got A Large Ambition