日本の軽音楽部の活動および音楽教育の支援を目的とした「Fender Youth Music Program」とはどんなものか? 去る1月27日、本チャリティ・プロジェクトにおける今年度の贈呈校として選ばれた和歌山高等学校で開催されたイベントを取材した際、2月16日からフェンダーのアジアパシフィックを統括するジョルジオ・グエッリーニ氏にも話を聞くことができた。フェンダーが掲げる理念や2026年の展望などを語ってくれたインタビューをお届けしよう。
軽音楽部は素晴らしい学びの場だと思います
YG:今回この和歌山高等学校まで180万円相当の楽器の贈呈と音楽業界で活躍するアーティストによるレッスンを無償で開催するなど盛りだくさんの内容でしたが、改めて、Fender Youth Music Programとはどういったものでしょうか?
ジョルジオ・グエッリーニ(以下GG):Fender Youth Music Programというのは、2025年度に立ち上げたチャリティ・プログラムです。フェンダーではグローバルでも様々な支援プログラムを展開していますが、今回、日本独自の取り組みとして、全国の中学校・高等学校の軽音楽部をはじめとした音楽活動を支援を目的に、このFender Youth Music Programをスタートさせました。このプログラムは非常にもシンプルなもので、フェンダーのエレクトリック・ギター、ベース、アンプ、その周りに付随する周辺の機器一式を提供することに加え、本日の音羽-otoha-さんのようなプロのアーティストによるレッスンを生徒の皆さんに直接提供するというものです。経済的に制限がある中で、このプログラムを通じて、プロのアーティストや生徒の皆さんが憧れるミュージシャンたちが実際に使用しているものと同じ楽器に触れ、音を鳴らし、アーティストから音楽・楽器演奏を学ぶことで、「音楽や楽器を続ける楽しさ」や「自分の可能性を信じる気持ち」を育んでほしいと考えています。
YG:このFender Youth Music Programは日本だけの取り組みでしょうか?フェンダーは世界各国の若年層に対しての応援してるのでしょうか。またその理由はなんでしょうか。
GG:フェンダーでは全世界の音楽を始められたばかりのビギナーの方や若い演奏家の方たちを対象に様々なプログラムを通じて支援していますが、今回のように直接学校を訪ね、楽器とレッスンをさせていただいたプログラムはユニークなプログラムであります。日本では学校の中に軽音楽部がクラブとしてありますよね。これは本当に素晴らしい学びの場だと思います。そこでは、音楽の楽しさだけでなく、規律やチームワーク、責任感、そして音を通して自分自身を表現することを学びます。これは何にも代えがたい価値があります。そして、こうした活動が成長し、より豊かなものになっていくためには、信頼でき安心して使える楽器に触れられる環境が欠かせません。また軽音楽部というのは学生の若い方たちにその将来的な音楽に関する可能性を与えるための入口のようなところです。フェンダーは音楽を目指している方々をビギナーからあらゆるステージのプレイヤーまで支援していきたいと考えています。Fender Youth Music Programは、私どものそのミッションと合致しているものであり、使命のようなものですね。
YG:フェンダーはカスタムショップからスクワイヤーまで様々な価格帯の楽器を市場に提供していますが、これから楽器を始める層、楽器を始めたばかりの層はどのように楽器を選んだら良いと考えてますか。
GG:フェンダーには、最高峰のギターを生み出すフェンダー・カスタムショップから手の取りやすいスクワイヤーといったラインもあり、さらにフェンダーのレギュラー製品にも、アメリカ製、日本製、メキシコ製など、さまざまなシリーズやモデルを展開しています。ご存じの通り、カスタムショップは価格帯としては決して安いものではありませんし、一方でスクワイヤーは、楽器演奏の“入口”として、初めて楽器を購入される方に選ばれることが多いブランドです。
ただし、ここでお伝えしたいのは、カスタムショップであっても、フェンダーであってもスクワイヤーであっても、すべての製品にフェンダーのDNAがしっかりと受け継がれているという点です。耐久性や演奏性といった、楽器として最も大切な基本部分に対する考え方は、すべて共通しています。
実際、多くのミュージシャンが最初にスクワイヤーを手にし、その後成長して、経済的に余裕ができた後も、最初に買ったそのスクワイヤーを大切に使い続けているケースを、私たちは数多く見てきました。もちろん今申し上げたカスタムショップ、フェンダー、そしてスクワイヤーでもそれぞれに使っているパーツや仕様に違いがありますし価格もそれぞれ異なってきます。しかし、私が最も伝えたいのは、フェンダーが展開するすべての製品が、プレイヤーにとって納得できる高いクオリティを備えているということです。そして今日、この和歌山でお会いした総合音楽部(軽音楽部)の生徒の皆さんが、フェンダーのギターやベースを手にして、口をそろえて「とても弾きやすかった」と言ってくれたことが、とても印象に残っています。初心者の方だからこそ、最初に手にする楽器の“弾きやすさ”はとても重要ですし、その点においてフェンダーの楽器がしっかり応えられていることを、改めて実感しました。楽器選びで本当に大切なのは、価格だけではなく、「この楽器でもっと音楽を続けたい」と思える一本に出会えるかどうかだと思っています。だからこそ、これから音楽を始める方にも、ぜひフェンダーのギターやベースを手に取っていただきたいですね。

プレイヤーとフェンダーをつなぐエキサイティングな企画も準備しています
YG:話は変わりますが、昨年原宿で開催されたFender Experience 2025のような、一般の方にフェンダーをより知って体験できるようなイベントは今年2026年も計画されたりしているのでしょうか。
GG:大変いい質問ですね!(笑)
昨年開催されたFender Experience 2025は本当に素晴らしいイベントとなりました。10月11日から13日の3日間で4万人もの方々が来場してくださいました。ラフォーレミュージアム原宿、表参道ヒルズ スペース オー、そしてフェンダーの旗艦店Fender Flagship Tokyoの3会場を舞台に、様々なジャンルのアーティストによるライヴやトークショー、ワークショップなどを開催しました。そして約200本にもおよぶカスタムショップの最新モデルの展示や、ゴジラとのコラボレーション・ギターのお披露目なども行ない、この3日間を通して、フェンダーを軸にアーティスト、プレイヤー、そして音楽を愛するコミュニティがつながる、非常に大きな成功を収めることができたと感じています。2026年については、まずはFender Flagship Tokyoで魅力的なストア・イベントをこれまで以上に開催していきたいと考えております。より多くの方々に実際に足を運んでいただき、フェンダーの楽器やプロダクトに直接触れていただく機会を、さらに増やしていきたいですね。そして今年は、昨年とはまた違ったかたちで、プレイヤーとフェンダーをつなぐエキサイティングな企画も準備しています。詳細はこれからになりますが、ぜひ楽しみに待っていてください。
YG:最後の質問になります。2月からアジアパシフック統括としてフェンダーを率いるジョルジオさんの考えるフェンダーのあり方はどのようなものでしょうか。
GG:前任者のエドワード・コール(2月よりフェンダーミュージカルインストゥルメンツコーポレーション最高経営責任者)の取り組みを引き継いでいく立場になりますので、まずは彼がこれまで築いてきたフェンダーの継続性と価値観をとても大切にしたいと考えています。フェンダーが掲げているミッション「我々の使命は、音楽を始められたビギナーからプロの演奏家まであらゆるステージのミュージシャンをサポートする」。この考えは、フェンダーという会社のDNAとして、組織全体に深く根付いています。
一方で、音楽を取り巻く環境やカルチャーは、常に変化しています。だからこそ、本日のようなイベントを通じて若い世代の皆さまと直接触れ合い、彼らが何を考え、何を求めているのかを聞き、その声からフィードバックを得ることがとても重要だと考えています。そうしたコミュニケーションを重ねながら、どのような変化が必要なのかを理解し、フェンダーとしてどうサポートしていくべきかを考えていきたいと思っています。
具体的な取り組みの一例として、私たちは新しいカテゴリーへのサポート、特にクリエイターの支援にも力を入れています。例えば、本日レッスンとパフォーマンスを行なっていただいた音羽-otoha-さんのようなアーティストです。
その取り組みのひとつとして、1月にFender Studioをローンチしました。これは、単に楽器を提供するだけでなく、楽曲制作、レコーディング、音楽の公開、そしてパフォーマンスへとつながる一連の音楽体験を支援するプラットフォームです。Fender Studioを通じて、クリエイターの皆さんが表現の可能性を広げていける機会を、今後さらに増やしていきたいと考えています。
フェンダーは、これまで築いてきた伝統や歴史を大切にしながらも、時代とともに進化し続けるブランドです。ぜひ、これからのフェンダーにもご期待ください。
公式インフォメーション
フェンダー公式サイト | エレキギター、ベース、アンプの世界的ブランド – Fender



