Sensation III／Sensation

ギターの大賀好修を中心に、日本屈指のミュージシャンが集結したインスト・ロック・バンドの3rdアルバム。ジャズ、プログレ、ロック、ファンクなどの要素がミックスされながら、ただのハイ・テク・アルバムには着地せず、曲も一瞬のハーモニーも重視した音楽作りに向き合う熱意が伝わる。とりわけ本作は、ライヴも含めてリスナーが楽しめる曲作りを重視した感がある。それは単に明るく楽しくメロディアスであるということではなく、ヴォイスを使ったり、「さぁココ！」と一体感が生まれるアレンジや、流れの分かりやすいソロ構成など、あらゆる要素にリスナーを置いてけぼりにしない優しい配慮が感じられる。

【文】安保 亮