HIDDEN MEMORIES／ESCAPIST

アルゼンチンはブエノスアイレス出身の５人組シンフォニック・パワー・メタル・バンドのデビュー作。ターヤ（元ナイトウィッシュ）を彷彿とさせるオペラティック歌唱を披露するルチアナ嬢のソプラノ・ヴォイスにまず耳を惹かれるが、ストラトヴァリウス直系のハープシコードの音を基盤とするキーボードを伴って疾走するサウンドは、まだまだ発展途上ながらも非常にキャッチーで清々しい。セバスチャン・ディヴィートの温かみのあるネオ・クラシカルなギターはルチアナ嬢の佇まいにフィットしているし、キーボードとの掛け合いもスリリング。バラードやミッド・テンポの曲でしっかり聴かせることができるのは実力者の証し。
（新垣新哉）