地獄のアロハ／筋肉少女帯人間椅子

オルタナな存在感を放ち続けて四半世紀を超えた、文系ハード・ロックの２大巨頭による夢のコラボ・シングル。両バンド合作の表題曲はプログレ・ハードの大曲で、筋少カラーで始まり、和嶋慎治（vo, g）印のリフで椅子に転調する強引さだが、ソロの掛け合いを過ぎた辺りで“筋肉少女帯人間椅子”としか思えなくなるから摩訶不思議。持ち曲を交換してのカヴァー対決も目玉で、人間椅子版「少年、グリグリメガネを拾う」は原曲に忠実（和嶋の生真面目さが滲む）。対する筋少版「ダイナマイト」は、どんな曲であれ様式美の城を建てると豪語する橘高文彦（g）の執念のメタル魂が炸裂。双方の生き様がよく出ている。
（菅原健太）