7月下旬、アメリカ・ナッシュヴィルにて楽器の見本市”NAMM”ショウの夏ヴァージョンにあたる“Summer NAMM”が開催された。そこで発表されたフェンダーの新製品が、先日日本でもお披露目されたので、写真と共に紹介していこう。(写真はクリック or タップで拡大)
オフセット・シリーズ
小振りなボディー・サイズや24インチのショート・スケールで手の小さいプレイヤーに快適な弾き心地を提供する“Duo-Sonic”とムスタングが、それぞれ2機種ずつ発表された。
Duo-Sonic
こちらは“Duo-Sonic”。ピックアップはシングルコイルを2基搭載し、3ウェイ・トグル・スイッチで配線を切り替える。ボディーはアルダー、ネックと指板はメイプルを採用。フィニッシュは写真のトリノ・レッド以外にエイジド・ホワイト、カプリ・オレンジの2色が用意されている。
Duo-Sonic HS
ピックアップ配列がSH仕様の“Duo-Sonic HS”は、リアのハムバッカーをプッシュ・プル式のトーン・ノブでシングルコイルへと切り替えられるようになっており、音作りの可能性を広げてくれるのがポイントだ。ボディーはアルダー、ネックはメイプル、指板はローズウッド。写真のダフネ・ブルーの他にブラックとサーフ・グリーンがラインナップされている。
Mustang
アルダー・ボディー、メイプル・ネック&指板のムスタング。サステインを高めるハードテイル・ブリッジや、音にキレを与えるベントスチール加工のサドルなどがポイントだ。低出力のピックアップは各帯域のサウンドをバランス良く創出する。ブラック・フィニッシュの他に、オリンピック・ホワイトとオリーヴのフィニッシュがラインナップ。
Mustang 90
指板にローズウッドを用いたこちらのムスタングは、ピックアップに“MP-90”を2基搭載。絡み合うような中音域とパンチの効いたロー・エンドが得られるのが特徴だ。ネックは素早い手の動きを助けるポリウレタンを使ったサテン仕上げとなっている(他のオフセット・モデルも共通)。クラシックなショート・スケールのモデルにモダンな特色が施された1本。
デラックス・シリーズ
下記のストラトキャスターとテレキャスターの共通スペックとして、ペグにポストの短いタイプを採用してよりチューニングの安定性を高めたこと、ネックのヒール形状や4点留めの非対称ネック・プレートによる、ハイ・ポジションでの演奏が苦にならない設計などが挙げられる。
Deluxe Telecaster Thinline
ホロウ・ボディー・タイプのテレキャスター。ピックアップに”Vintage Noiseless”を採用し、バランスの取れたレスポンスと豊かで繊細なトーンを提供する。4ウェイ・セレクターによる音作りの多彩さも魅力だ。
Deluxe Nashville Telecaster
3ピックアップ仕様が特徴の“Nashville Telecaster”はフロントとリアに“Vintage Noiseless Single-Coil Telecaster”、センターに“〜Strat”を搭載。5ウェイ・セレクターでヴァリエーション豊かな音作りが可能だ。指板のRは12インチとフラット寄りになっており、深めのチョーキングの際もフレット落ちしにくい。
Deluxe Stratocaster HSS
パワフルなハード・ロックからエレガントなスタイルまで対応可能なSSH仕様のストラト。フロントとセンターには“Vintage Noiseless”を搭載。リアには“Twin Head Vintage Humbucking”を搭載し、S-1スイッチを押すとシングルコイルのみを出力できる。写真はタングステン・フィニッシュで、他に3色がラインナップ。
Deluxe Strat
“Deluxe Strat”はトーン・コントロールの間に搭載されたプッシュ・プッシュ式のミニ・スイッチが特徴だ。通常の5ウェイ・セレクターでの組み合わせに加えて、ミニ・スイッチをオンにすると、すべてのピックアップの同時使用などが可能になり、拡張性を高めてくれる。こちらにもやはり”Vintage Noiseless”ピックアップを採用し、クリーンなサウンドを創出する。
Deluxe Roadhouse Strat
本機にも、“Vintage Noiseless”を搭載。目玉スペックであるトーン変更用の6ポジションV6ロータリー・スイッチは、新たに搭載されたS-1スイッチでその機能をバイパスし、ピックアップのみでの音作りも行なえるようになり、より豊富なサウンドの選択肢を提供している。
カスタム・ショップ・モデル
フェンダー・カスタム・ショップから発表された、リミテッド・エディション製品3種類。いずれもフィニッシュはホワイト系でヴィンテージ加工が施され、風格ある佇まいを放っている。
アンプ
しばらく生産が中止されていた“Custom”シリーズが復活。すべてハンドワイアード回路の真空管アンプだ。
写真は手前中央から反時計回りに、5W出力でクラシックな“Champ”のオーヴァードライヴ・サウンドを引き出す“’57 Custom Champ”、より正確な低域のコントロールを可能にした12W出力の“’57 Custom Deluxe”、ツイードの“Pro-Amp”を再考し、プレゼンスの追加で音に深みと明晰さを持たせた26W出力の“’57 Custom Pro-Amp”、そして甘く歌うようなトーンを魅力に持つロー・パワー出力の“Tweed Twin”と呼ばれるシリーズを元にした40W出力の“’57 Custom Twin-Amp”だ。
また、左端は1月のNAMMショウで発表されたジ・エッジのシグネチュア・モデル、“The Edge Deluxe”。