BLACK BUTTERFLY／スティーヴ・ウォルシュ

’14年にカンサスを脱退したアメリカ人シンガーによる、フル・アルバムとしては12年ぶりとなるソロ第４作。AOR寄りのメロディック・ロック路線で、職人トミー・デナンダー（g）が作曲面でも全面的にバックアップ。バッキング・ヴォーカルにはFMのスティーヴ・オーヴァーランドが迎えられている。驚いたのは、「Winds of War」「Now Until Forever」「Mercy On Me」でリード・ヴォーカルを担当する無名のシンガー：ジェローム・マッツァで、歌い回しがウォルシュに似ているどころか、彼を凌駕するほどの見事な歌唱を披露しており、本作の大きな聴き所の１つとなっている。「Born In Fire」「The Piper」でのデナンダーのリード・プレイおよびソロも素晴らしい。

【文】Masa Eto