「Jeff Kollman’s Guitar Reflections」は、ジェフ・コールマンのあらゆる音楽スタイルでの演奏経験を活かした「より音楽的なギター・プレイ」を身につけるための動画連動レッスン。単なるテクニックの反復練習では得られない、曲をより引き立てるプレイの心得を教えてくれている。ヤング・ギター本誌に掲載された譜面と合わせて、ギタリストにとって“本当に大事なもの”を学んでいただきたい。
第1回は4月号と連動しており、動画の中でも言及されている“フレーズ・イミテーション”は、本講座において重要なキーワードとなっている。ジェフ自身がその概念を解説してくれたので、実戦練習を始める前に一読して、参考としていただきたい。
Jeff’s Comment“フレーズ・イミテーション”とは?
“フレーズ・イミテーション”とは、まずアイデアとなるフレーズを1つプレイし、それを真似しながらギター・プレイを構築していく過程のことだ。僕は10代の頃、自分で曲を作っていた頃にここに着目し始めた。ギター・ソロも、直前に弾いたものの上にアイデアを積み上げていくべきだ。まずは1小節分のフレーズを考えてみてくれ。つまり、4拍の中に収まるフレーズだ。次はそれを繰り返してみよう。リズム的に繰り返してもいいし、メロディーをもう1度弾くのでもいい。
フレーズ・イミテーションには幾通りかの方法がある。そのうちの2つはメロディックなイミテーションと、リズム的なイミテーション。例えばクリスマス・ソングの「ジングル・ベル」を例にとろう。この曲はリズム的な要素がとても強く、たった1音だけでメロディーを弾き切ったとしても、何の曲か想像がつくはずだ。メロディックな方は、インターヴァル(音程)の間隔が固定されたメロディーを書くことなどがアイデアになる。例えば6度。A音からF音へ、G音からE音へ、そしてF音からD音へと上昇するメロディーを弾いてみよう。6度の音程が真似されていることに気付いてほしい。ヴァリエーションとして、1音は上方向に進むように、もう1音は下方向に進むように弾くこともできる。選択肢は無限大で、あらゆる楽曲にイミテーションの技法が含まれていることに気付くだろう。そうして聴き手に曲のフックを与えるものがイミテーションなんだ。
フレーズ・イミテーションの参考になる作品としては、『MELODIC PHRASING』(1992年)というスコット・ヘンダーソンが解説する素晴らしいビデオがある。これを観ることをお勧めするよ。それから「Smoke On The Water」(ディープ・パープル/1972年『MACHINE HEAD』収録)のような曲を題材にしてみよう。冒頭のリフの繰り返しが、非常に強力なインパクトを持っている。この曲などにおけるリッチー・ブラックモアのソロを弾いて、イミテーションをどう使っているか分析してみよう。またブラック・サバスの「Iron Man」(1970年『PARANOID』収録)もいい。とてもリズムが強力なフレーズだ。
思いついた短いフレーズを何度も繰り返す。良い曲にはみんな、こういった性質があるものなんだよ。 ラリー・カールトンなどは、イミテーション技の巨匠といえる。これこそ音楽の本質だね。