DECEIVER／ケミス：新時代のドゥーム性を主張するプログレかつメロウな楽曲展開

米コロラド州デンバー出身のドゥーム・メタル・バンドによる4th。ドラマーのザック・コールマンは、マックス・カヴァレラの新バンド：ゴー・アヘッド・アンド・ダイでもプレイしている。プログレッシヴかつメロウに積み上げられる楽曲展開は、ブラック・サバス直系のドゥーム典型とは大きく異なり、ポールベアラーあたりに通じる新時代のドゥーム性を主張する。前作『DESOLATION』（’18年）では抑え気味だったメタル性（ドゥームに限らず、デス／ブラックにも根差したエクストリミティ）が多少なりとも戻っており、メロディーの質の良さやプログレ性を損なわずに、より良好なバランスを示している。

【文】小澤明久