マーシャル伝説のペダルが復活! The Guv’nor、Bluesbreaker、Shredmaster、Drivemaster

マーシャル伝説のペダルが復活! The Guv’nor、Bluesbreaker、Shredmaster、Drivemaster

試奏レポート1:The Guv’nor

The Guv'nor
The Guv’nor

The Guvnor 背面

The Guv’nor 仕様

●入出力:インプット、アウトプット、ループ
●コントロール:GAIN、BASS、MIDDLE、TREBLE、LEVEL
●スイッチ:ON/OFF
●サイズ:112(W)×132(D)×61(H)mm
●重量:800g
●電源:006P(9V電池)/9VDC(センターマイナス)
●価格:27,500円(税込)

おすすめリズム・サウンド・セッティング

The Guv'nor リズム用

▲GAINは10時方向で抑えめに設定、濃厚なMIDDLEも12時方向でやや抑えて、例えばAC/DCのようにカラッと歪むバッキング・サウンドを目指した。

おすすめリード・サウンド・セッティング

The Guv'norリード用

▲リズム・サウンドのセッティングと比べると、GAINを大きく上げている(15時方向)ことと、MIDDLEも14時まで上げ、中域が豊かで伸びやかなトーンを狙った。

話題沸騰中の復刻版“The Guv’nor”、その実力はどれほどのものなのか、早速チェックしていこう。まず、外観や機能については’80年代後半のオリジナル・モデルをよく再現している。筐体の形状とずっしりとした重み、コントロール・ノブの形と色味、フット・スイッチの踏み心地や、センド/リターン用のループ端子(使うにはY字ケーブルが必要)までが再現され、愛情を持って復刻されたことが分かる。肝心の音についても、非常に良くできている。知っている人なら、踏んだ瞬間に「“The Guv’nor”の音だ!」と歓喜する、あのサウンドが飛び出してくるのだ。歪ませた時のザクッとした粗めの質感、適度なゲイン幅と、現代的なフル・レンジというよりはギターの美味しい帯域を強調したちょうど良いレンジ感など、クラシックなハード・ロック、ヘヴィ・メタルの旨味のあるギター・サウンドを楽しめる。“The Guv’nor”の魅力であるBASS、MIDDLE、TREBLEのEQの使いやすさもそのままだ。

今回の試奏にあたって複数のヴィンテージ・モデルも弾いてみたが、ヴィンテージといっても英国製モデルの基板違い、韓国製モデルなどいくつかのヴァージョンがあり、その後の経年変化も相まって、個体ごとにかなり音が異なるという印象があった。はっきり言って高額なヴィンテージを入手するよりも、復刻版の方がずっと良いというのが個人的な意見である。ただし、復刻版はまだ「新しい製品の音」がする。ある程度使っているうちにこなれてくると思うので、手に入れた人は末長く愛用してほしい。

試奏レポート2:Bluesbreaker

Bluesbreaker
Bluesbreaker

Bluesbreaker 背面

Bluesbreaker 仕様

●入出力:インプット、アウトプット
●コントロール:GAIN、TONE、VOLUME
●スイッチ:ON/OFF
●サイズ:110(W)×147(D)×67(H)mm
●重量:700g
●電源:006P(9V電池)/9VDC(センターマイナス)
●価格:27,500円(税込)

おすすめリズム・サウンド・セッティング

Bluesbreakerリズム用

▲TONEとVOLUMEはしっかり上げているが、あえてGAINは12時方向にとどめ、コード・ワークで使えるごく軽いクランチ・サウンドを作ってみた。

おすすめリード・サウンド・セッティング

Bluesbreaker リード用

▲TONEとVOLUMEはリズム・セッティングと同じ15時方向で、ここではGAINも15時方向まで上げている。単音でのプレイに艶を与えるドライヴ・サウンドだ。

“Bluesbreaker”は、今回の4モデルの中で最もロー・ゲインで、特にブルージーなプレイにマッチするクランチーなオーヴァードライヴ・ペダルだ。オリジナルの“Bluesbreaker”はジョン・メイヤーが使ったことで再評価が進み、ヴィンテージ・ペダル市場で価格が高騰してしまったため、今回の復刻を待っていたというファンは多いだろう。コントロールはGAIN、TONE、VOLUMEと非常にシンプルながら、実はセッティングにコツがある。簡単な話なのだが、一般的な歪みペダルの感覚でGAINだけを上げても良い感じに歪まないのだ。必ず、GAINとVOLUMEをセットで上げてやる必要がある。実際、ジョン・メイヤーのボードの写真をチェックしてもGAINは14時半、VOLUMEは15時から16時方向まで上がっていることが多い。そうしたセッティングでギターを弾くと、非常に心地よいコンプレッションと極上のクランチ・サウンド、自然なサステイン、温かみのある味わいが加わり、いつまでも弾いていたくなるような気持ちの良い音が楽しめる。

しかもシングルコイル、ハムバッカーどちらのピックアップを搭載したギターでも持ち味を活かした音に仕上げてくれるので、人気が高いのも納得だ。“Bluesbreaker”だけでは歪み量が足りないという人は、アンプをクランチ以上の設定にした上で、前か後ろに他の歪みペダルやブースターを置いて、組み合わせで音を作っていくと良いだろう。また、本機を歪みペダルとしてではなく、あえてGAINとVOLUMEはそれほど上げずにクリーンに温かみだけを加えるペダルとして使うのも、非常に良い方法だと思う。