「これからの“日本のゴシック・メタル”を作り上げられたら」’26年“W:O:A Metal Battle”日本代表:GIVEN BY THE FLAMES(Diekey&Shima)

「これからの“日本のゴシック・メタル”を作り上げられたら」’26年“W:O:A Metal Battle”日本代表:GIVEN BY THE FLAMES(Diekey&Shima)
MB結果発表時の写真
© Metal Balttle Japan

世界最大級のHR/HM祭典“Wacken Open Air”(以下WOA)によるグローバルな新人発掘バンド・コンテスト“W:O:A Metal Battle”(以下MB)。その’26年度日本代表として、約30ヵ国のバンドが激突するドイツ現地決勝に挑んだのは、ツイン・ギター&ベースレス編成のゴシック・メタルコア4人組:GIVEN BY THE FLAMES!

GIVEN BY THE FLAMES

’26年7月30日(木)、ブルヘッド・シティのW.E.T.ステージに登場した彼等は、オーディエンスから熱狂的な反応をもらい、“メタルの聖地”にて強烈な爪痕を残し──結果、コンテスト第3位という堂々たる結果を残した。今回インタビューに応じてくれたのは、無限の可能性を感じさせるツイン・ギター・チーム:Diekey&Shima。2人にはWOA&MBのモロモロについての印象に加えて、それぞれのバックグラウンドについても語ってもらった…!!

ステージ全体の雰囲気が分かるライヴ写真
pic: @romanamakowka

もう呼ばれてしまったか…といった気持ちも

YG:まずは“W:O:A Metal Battle”現地決勝での第3位入賞、おめでとうございます! 現地でのMC通り、“メタル・オリンピックで銅メダル”は本当に素晴らしいと思いますが、もしかすると…優勝を逃したことで“悔しい3位”だったりもしましたか?

Diekey:ありがとうございます。ただ僕は、“メタル・ワールドカップ”と言ったんですけどね(笑)。

YG:あら…失礼しました!(苦笑)

Diekey:1位は獲れませんでしたが、世界が時代を認めている感じがして僕は嬉しいです。

Shima:優勝を目指して参加していたので、第3位で名前を呼ばれた瞬間は、入賞出来た喜びと、もう呼ばれてしまったか…といった(残念に思う)気持ちと半々でした。でも、あれだけのバンドの中から3位を戴けて、素直に嬉しいです。

MB結果発表時の写真

YG:順位や結果はともかく、WOA現地でプレイしてみて、オーディエンスの反などはいかがでしたか?

Diekey:それぞれのやり方で楽しんでくれていて、嬉しかったですよ。(観客の中に)日本の国旗が見えたのは、予想外で心が温まりました。

Shima:あの規模、しかも野外(でのライヴ演奏)は初だったんですが、ステージからの景色は壮観で、オーディエンスの反応も思っていた以上に良くて、めちゃめちゃ気持ち良かったです。そう、目の前の日の丸も安心感凄かったですね(笑)。

(Diekey)ギター2名の単体ライヴ写真
Diekey(g) pic: @shoottoeternity
(Shima)ギター2名の単体ライヴ写真
Shima(g) pic: @shoottoeternity

YG:他の国のMB代表のライヴは観ましたか? 

Diekey:アイスランドのSÓTっていうバンドが超渋くてカッコ良かったですね。あと、アイルランドのDEAD MEMORIESっていうデスコア・バンドも、ブレイクダウンがめちゃくちゃイケてました。

Shima:同じく、SOTがかなりよかったです。

YG:そもそも、MBに応募したキッカケは? それ以前からWOAフェスのことは知っていましたか?

Diekey:高校生の頃、トリヴィアムにハマっていて、初めてメタル・フェスの映像を観たのが、’13年のWOAの映像だったんです。オーディエンスとアーティストの一体感が最高でしたね。その後、’19年頃にMBのことを知ったんですが、当時は同期(音源)禁止というルールがあったため、(GIVEN BY THE FLAMESは同期を使用していたことから)エントリーすら出来なくて…。でも、’26年には問題なくなったようで、チャンスと思い応募しました!

'13年のTRIVIUM@WOA写真
TRIVIUM@WOA13 pic: Yuzi Okumura

Shima:勿論、WOAのことは知っていました。元々、正統派(HR/HM)のイメージがあったけど、近年はモダンなバンドも増えてきてますよね? 前回(’25年)は結局、流れてしまったけど(※現地運営の規約により、’25年の日本代表出場はお休み)──とあるバンドの来日と日程が被っていたので、応募出来なかったんですが、それで「今年こそは!」って感じだったかと思います。

YG:WOA決勝でのセットリストはどのようにして決めましたか? ドイツ、あるいはヨーロッパのフェスということで、国内とのオーディエンスの違いなどは意識しましたか?

Diekey:「Nihil」で始めて「Purging Night」で締めたのですが、WOAのイメージとはかけ離れる曲、あとバラードは「避けよう」ということになりました。本来は他に、「Ena」や「Until We Meet In Hell Again」などといった曲が入るのですけどね。(持ち時間が)20分しかありませんでしたしね(笑)。逆に日本では、絶対と言って良いほど、セトリにしっとりした曲を入れます。(音楽的な)幅が効くと、それぞれの要素が際立ちますから。

(Willian)ギター以外のメンバーの単体ライヴ写真
Willian(vo) pic: @romanamakowka
(Shima)ギター2名の単体ライヴ写真
Shima pic: @romanamakowka
(Diekey)ギター2名の単体ライヴ写真
Diekey pic: @shoottoeternity
(Noi)ギター以外のメンバーの単体ライヴ写真
Noi(dr) pic: @romanamakowka

GIVEN BY THE FLAMES @WOA26 セットリスト

1. Nihil
2. Problem & Troubles
3. R.I.P
4. Ronove
5. Purging Night

YG:WOAではどんな機材を使いましたか?

Diekey:ギターはESPから提供頂いてる“EDWARDS E-HORIZON-ET/Baritone”のプロトタイプを使用しました。アンプはケンパーに自分の好きな音をプロファイリングして。ワイヤレスのIEM以外はすべて持ち込みましたね。WOAへの出場が決まってすぐ、飛行機移動用に、空港職員にぶん投げられても問題ないSKBのラックケースを分割で(笑)購入しました。

Shima:Hapas Guitarsの“Siren”というモデルを使用しています。ギター以外はDiekeyと同じです。

YG:機材面で何かトラブルなどは…? サウンド面では満足いきましたか?

Diekey:ぶっちゃけると、色々トラブルがありまして…。実は、自分達の音と声が何も聴こえなかったんです。だから、(サウンド面での)感想は言えません(苦笑)。

YG:MB各国代表以外にも、出演バンドのライヴは観ましたか? 印象に残っているバンドというと?

Diekey:エンペラーは個人的にかなり“懐メロ”でした。あと、PALEFACE SWISSには痺れましたし、THROWNは尊敬しているエンジニアがドラマーなので、音がめちゃくちゃ好きでした。

Shima:デフヘヴンがあまりにも良くて、気付いたらフルセット観てました。タイムテーブル上で出演時間が被ってたPALEFACE SWISSもしっかり観たかったんですが、おかげで最後の方しか観られませんでした(苦笑)。

YG:音楽面以外で印象に残っていることはありますか?

Diekey:飯は超高カロリー、高脂質、高糖質でかなりドパれました。ビールは美味いし、どこでもタバコ吸えるし…で最高でしたね。

ステージ全体の雰囲気が分かるライヴ写真
pic: @romanamakowka

メンバーは兄弟みたいなモノ

YG:ここからは基本的な質問です。それぞれ、ギターを始めた年齢とキッカケは?

Diekey:僕は最初、ベースから入ったんです。14歳の頃、友達と「バンドやろう」ってなったけど、結局は一人で、母のベースを借りてORANGE RANGEの「イケナイ太陽」を弾いてましたね。その後、ギターを始めたのは中3の時で、誕生日に御茶ノ水でレスポールを買ってもらいました。

Shima:初めてギターに触れたのでいうと、小学生の時、家族でフラメンコをやってる友達がいたので、遊びに行くとギターがあったんです。自分で弾くようになったのは中学3年の時で、おばあちゃんにギターを買ってもらい、そこからグリーン・デイとかミューズなど、今でも聴いているバンドのコピーを個人的にやってました。

YG:レッスンは受けましたか?

Diekey:ニコニコ動画で“弾いてみた”をずっと観てたので、昔からネットが僕の先生です。

YG:当初に影響を受けたギタリスト、ギター・ヒーローというと?

Diekey:始めたばかりの頃は何も知らなかったので…。メタルを知ってからのヒーローだと、メタリカのジェイムズ(ヘットフィールド)です。

Shima:僕は、ミューズのマシュー・ベラミーですね。

WOAでのオフショット
© Metal Balttle Japan

YG:GIVEN BY THE FLAMES以前は、どんなバンドでプレイしていましたか? これまでの音楽遍歴も併せて教えてください。

Diekey:最初はパンクスですかね。家の裏に住んでた友達の叔父さんがELLEGARDENのドラマーの高橋(宏貴)さんだったので、ずっと“聴いては弾いて”をやってました。高校生になってからは、色んなコピー・バンドもやるようになりまして、専門学校に入ってからは、OLFEUSというメタルコア・バンドでギターを弾いてました。

Shima:今もですが、ポップ・パンクとかエモ、UK、ポスト・ロックなど、ジャンルに関係なく色々聴いていて、最初はガレージ・ロックみたいなバンドをやってました。あとは、SECONDLOWというハードコアのバンドもやってましたね。

YG:お2人とも6弦を弾いていますが、ジャンル的には7弦以上を使っているギタリストが多いという印象です。それぞれ多弦ギターには興味ナシでしょうか?

Diekey:何度も試したことがあるんですが、持った時の違和感というか、立ち姿が好きになれなくて、毎回6弦に戻ってきちゃいます。バリトン・ギターに太い弦を張れば問題ないので。高い音域もあまり弾かないし(笑)。

Shima:早々に、速弾きには挫折したので、リフにフォーカスしてます。聴くのと弾くのは別ですね(苦笑)。

YG:GIVEN BY THE FLAMESの音楽性は“ゴシック・メタルコア”と紹介されていますが、お手本にしたバンド/ギタリスト、特に強く影響を受けたバンド/ギタリストはいますか?

Diekey:みんな言うのは、モーションレス・イン・ホワイトですよね。でも実は、あんまり音楽的に影響を受けてはいないと思っています。勿論、スタイルはそうなんですが、実際はそんなに単純じゃなくて。かなりモダン寄りな音楽をやっている自覚はあります。みんなの頭の中で流れている音楽というテーマで、Spotifyのアーティスト・プレイリストを公開しているので、是非覗いてみてください。みんなのルーツが詰まってます。個人的には、BLACK TONGUEのギタリスト2人(エディ・ピカード&ジェイムズ・ハリスン)を参考にしています。

Shima:個人的には、ホントに色んなジャンルが好きなので、特別ゴシックに固執して参考にしているバンドはいないです。二番煎じになるのも嫌ですし、これからの“日本のゴシック・メタル”を作り上げられたら最高ですね。

プレイリスト
Spotify – Web Player

WOAでのオフショット
© Metal Balttle Japan

YG:楽曲面、演奏面において、ギター面で特にこだわっていることというと?

Diekey:念頭にあるのは残虐さ、それと聴き心地の好さですかね。一見矛盾しているように感じるかも知れませんが、どちらもGIVEN BY THE FLAMESのサウンドには欠かせない要素です。ネガティヴな感情を美しい形でアウトプットすることが仕事だと認識しています。

Shima:正直こだわりはないです。シンプルにバンド、ライヴが好きなので、その時のイベントに対してやれるだけのことをやるだけです。メンバー全員が昔からの仲なので、パフォーマンス面でも細かいミーティングがなくても分かり合えると思ってます!

YG:ベースレス編成は意図してのことでしょうか? それとも、理想のベーシストが見つからなくて…?

Diekey:メンバーは兄弟みたいなモノで、なかなか新メンバーを迎えるにあたってのハードルを下げられないのが悩みです。今の4人での居心地が好過ぎるんです。バイブスが合って、良いベースを弾ける人がいれば、気付いたら隣で演奏しているかもしれませんが(笑)。

Shima:そう──バイブス合うベーシスト求む!!

YG:お2人はお互いをどんなギタリストとして見ていますか? プレイヤーとして似ているところ、全く違うところなど、それぞれの印象も教えてください。

Diekey:Shimaは良い意味でブレないんです。周りに流されるようなこともないですし、好きなことを貫いていて、基礎練習も欠かしません。違うところといえば、僕は良いと思ったことは取り入れたがるところですかね? 対極にあるような話にはなりますが、ステージに立てば、お互いのルーツに近いモノを感じる人も多いと思います。2人ともロン毛でバリトンの6弦ですしね!(笑)

Shima:ギタリストとしても、コンポーザーとしても、Diekeyが常に新しい音を追求している姿勢は「“アーティスト”だな」と思っています。僕は自分自身のことを“パフォーマー気質”だと思っているので、バランスは良いのかもしれないです。

WOAでのオフショット
© Metal Balttle Japan

YG:では最後に、今後の予定について教えてください。

Diekey:実は、MB出場が決まる前にMVの撮影を予定していまして、今はそのための新曲を編曲中です。勿論、WOAでの経験を活かし、総合的に次のステージへ上がっていきたい…というのが当面の望みです。セットの長いライヴも今後計画しています。国内外関係なく、色んなフェスティヴァルにも出演していきたいですね。

Shima:WOAくらいデカいステージに立ち続けたいです!!

MB結果発表時の写真
WOA主宰者のトーマス氏と。 © Metal Balttle Japan