カルロス・ロザーノ&ジョルディ・ゴルゲス/ペルセフォネ

カルロス・ロザーノ&ジョルディ・ゴルゲス/ペルセフォネ

去る4月下旬、南欧の小国アンドラよりプログレッシヴ・デス・メタラー:ペルセフォネが初来日! 福岡、大阪、東京にて計4公演を行なった。

’01年結成、’04年にファースト・アルバム『TRUTH INSIDE THE SHADES』をリリースし、同作にて日本デビューも果たした彼等は、実はかなりの日本通。それは、’06年作『CORE』に続いて’09年に発表された3rd『SHIN-KEN』が、宮本武蔵にインスパイアされたコンセプト・アルバムだったことからもよく分かるし、続く現時点での最新作『SPIRITUAL MIGRATION』(’13年)にも、日本&東洋的なエッセンスがところどころに散りばめられていた。

バンドの現ラインナップは、マルク・マルティンス(vo)、カルロス・ロザーノ(g)、ジョルディ・ゴルゲス(g)、トニ・メストレ(b)、マルク・マス(ds)、モエ・エスピノーサ(key,vo)という5名。現在発売中のヤング・ギター2014年7月号では、445ページ掲載の“Metal Hymns”にて彼らの東京公演初日のレポートをお届けしているが、ここではツアー最終日で東京公演2日目のリハ前に行なわれた、ツイン・ギター・チーム:カルロス&ジョルディの来日インタビューをお届けしよう!
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YG:初来日公演はいかがですか?

カルロス・ロザーノ(以下CL):最高だよ! ずっと日本でプレイしたいと思っていたんだからね!!

ジョルディ・ゴルゲス(以下JG):(福岡での)初日公演は移動の疲れが残っていたけど、大阪ではより良いショウが出来たし、東京(初日)公演はさらに良くなった。

CL:(東京初日は)これまででもベストなショウになったよ!

YG:日本のオーディエンスの反応については?

CL:予想以上だった! でも、スーツ姿の観客がサークル・ピットの中にいたのは驚いたね(笑)。

YG:そもそも日本に興味を持ったキッカケは?

CL:子供の頃から格闘技をやっていたんだ。それで、日本の武道、禅や瞑想なんかにも興味があった。それから、僕はマーティ・フリードマンの大ファンなんだけど、カコフォニーの日本的なメロディー使いには大いに影響されたよ。あと、マーティの影響で相川七瀬やB’zも聴いていたんだよ。

JG:俺は、沢山の“ライヴ・イン・ジャパン”アルバムを聴いて興味を持ったんだ。MSGやMR.BIG…他にも沢山あるよね? 日本での成功をキッカケに、世界へ羽ばたいていったバンドも多いし。

YG:そんなお2人は、いつ頃ギターを始めたのでしょう?

JG:俺は元々ベーシストで、ギターを始めたのは21歳になってからなんだ。ベースは18歳で始めた。それ以前は、ずっとサッカー少年だったんだよ(笑)。ただ、HR/HMは10歳の頃から聴いていて、最初はデス・メタル・バンドをやり、その後ラッシュやU2をカヴァーするようになった。でも、アンドラでは真剣に音楽をやりたいと考えているメンバーを探すのが大変でね…。だから、カルロスと出会った時は嬉しかったよ。

CL:僕は12歳でギターを始めた。最初はギター教室でレッスンを受け、基礎から何から叩き込まれたよ。その後、’90年代に入ってメガデスの「Tornado Of Souls」(’90年『RUST IN PEACE』収録)を聴き、そのギター・ソロに魅了されて、「これがやりたい!」「この人達のようになりたい!」と思い、そこからプロを目指すようになったんだ。以後は、イングヴェイ・マルムスティーン、ジェイソン・ベッカー、スティーヴ・ヴァイなどを聴いて、ひたすら練習しまくったよ。

YG:ジョルディがベーシストからギタリストに転向したキッカケは?

JG:ある時、スレイヤーの「Black Magic」(’83年『SHOW NO MERCY』収録)をベースで弾いてたら、ギターとほぼ同じことをやっていることが分かったんだ。それで、ギターをやってみようと思ったのが最初だった。

YG:そんなお2人はどのようにして知り合ったのですか?

JG:’01年のことだった──当時、カルロスは楽器店で働いていて、ドラマーを探していたんだ。俺はドラマーと一緒に他のメンバーを探していて、カルロスがベーシストを知っていた。それで一緒にプレイすることになったのさ。

YG:結構、年の差があるんですよね?

CL:うん。ジョルディは10歳年上だよ。でも、問題なくウマくいってる。彼にはプレイ面以外でも色々と教わることが多いんだ。メタルの歴史とかね(笑)。

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YG:“デス・メタル+プログレ”なペルセフォネの音楽性は、どのようにして生まれたのでしょうか?

CL:僕はスウェーデン産のデス・メタルが大好きで、同時にシンフォニー・エックスやドリーム・シアターも好きだった。そこで、両方をミックスしたら面白いと思ったんだ。

JG:俺もアーチ・エネミー、イン・フレイムス、ディセクションのファンで、カヴァーをやっていたこともある。テクニカルなデス・メタルが好きなんだ。でも、カルロスは俺よりもずっと幅広く音楽に精通しているから、それもペルセフォネの音楽性に影響を与えていると思うな。

YG:カルロスが主にリードを執り、ジョルディはリズム主体ですが、これは最初からそうでしたか?

CL:実は、ジョルディも決してリズム志向というワケではないんだ。でも、俺がシュレッドに入れ込んでいるのを知っているから、いつもリード・パートを譲ってくれる。

JG:カルロスは凄いテクニカル・プレイヤーで、とにかくソロを弾くのが好きなんだ。だったら、彼に任せない手はないだろ?

CL:普通、バンドにギタリストが2人いたら、どっちがソロを弾くのか揉めたりして、エゴの問題が避けられない。でも、このバンドはそういった問題と無縁なんだ。こんなにもエゴのないギタリストは他にいないと思うな。ジョルディも巧いギタリストで、ソロだって問題なく弾けるのにね!

YG:ツイン・リードというよりは、ギター×キーボードというパターンがより目立ちますね?

CL:それは、ジョルディがあまりソロをやりたがらないのもあるけど、僕とモエはずっと昔から一緒にプレイしていて、アレンジもよく一緒にやっているから、ついついキーボードとの掛け合いやユニゾンなどが増えてしまうんだ。

YG:では最後に、今回日本へ持って来たギターを教えてください。

JG:俺はESPの”Horizon”とキャパリソンの“Dellinger”を持って来た。どっちがメインというのはなくて、その日の気分で使い分けるんだ。どっちにもセイモア・ダンカンのピックアップが搭載されているよ。

CL:僕は1本しか持って来なかった。メイワンズの“Regius PRO 6”だ。カスタム・モデルで、4年ぐらい前に製作してもらったんだ。ボディーに“真剣”と描かれているのがクールだろ?(笑) ピックアップはセイモア・ダンカンの“Blackouts”。ツアー先では会場でどんなアンプが提供されるか分からないから、ハイ・ゲインなタイプを採用しているのさ。

YG:1本だけとのことで…弦を切った場合はどうされるのですか?

CL:その時は、ジョルディのを借りるよ。キャパリソンを使わせてもらうとしよう!

JG:じゃあ俺はESPをメインにして、キャパリソンはバックアップとして取っておかなきゃな(笑)。

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