「ヨーロッパの古城の扉がゆっくり開くようなイメージが浮かんだんです」ROLLYが語るクイーンの魅力

「ヨーロッパの古城の扉がゆっくり開くようなイメージが浮かんだんです」ROLLYが語るクイーンの魅力

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『ボヘミアン・ラプソディ』の超弩級ヒットに日本全国が沸き返る中、八面六臂の活躍を繰り広げているのがROLLYだ。ジャパン・プレミア公開時のレッド・カーペットに登壇した他、テレビやラジオでのクイーン特集でも引っ張りだこ。それもそのはず、ROLLYを形成する音楽的エッセンスにおいてクイーンからの影響が占める部分は極めて大きく、デビュー当初から彼の作り出すサウンドには“クイーン愛”が大々的に表出しているからだ。本誌でも今回のクイーン特集を企画するに当たり、ROLLYにその魅力を語ってもらうことにしたわけだが、1枚のアルバムを聴いた時のインプレッションを1時間近くに亘って語り続けるなど、インタビューというより独演会といった様相に。改めてその愛の深さを感じ取った次第だ。

ヨーロッパの古城の扉がゆっくり開くようなイメージが浮かんだんです

ROLLY(以下R):今回はブライアン・メイを“あまり有名ではないギタリスト”として語るという感じのインタビューですか?

YG:いえ、それだと『ロック・ギター異人伝』になってしまいますから(笑)。今回は日本のロック・シーンきってのクイーン愛好家であるROLLYさんに、クイーンの魅力を語っていただくという趣旨でして。

R:そうですねえ…じゃあ早速、僕がクイーンを初めて聴いた頃の話をしますよ。まず洋楽ロックを聴き始めた頃というのは、姉がベイ・シティ・ローラーズにもの凄く傾倒していたんです。『ミュージック・ライフ』『音楽専科』といった音楽雑誌で度々特集が組まれて、家にはそういうものが沢山あったんですよ。で、当時の5大ロック・バンドとされていたのが、KISS、クイーン、ベイ・シティ・ローラーズ、これがベスト3。次がエアロスミスとエンジェル。何とこの5バンドを特集したグラビア本があって、僕もそれを読んでいました。姉の部屋からはベイ・シティ・ローラーズが聴こえてきていたので耳に馴染んでいて、KISSはNHKの『ヤング・ミュージック・ショー』で来日公演の映像を観て、エース・フレーリーのギターにばっちりやられてしまい、こういうギターをもっと聴きたいということでジョニー・ウィンターのレコードを買い…という感じでロックにハマって行ったんですね。その頃、輸入盤レコードのお店でクイーンの1stアルバム『QUEEN』(1973年)をよく見かけていたんです。邦題は『戦慄の王女』というやつね。よく見かけたけど…実は内心ねえ…ミック・ジャガーやスティーヴン・タイラー、フレディ・マーキュリーに共通する、分厚い唇の感じが若干苦手だったんですよ。

YG:確かにルックス的にも押しが強い感じはありますね(笑)。

R:『QUEENⅡ』(1974年)のジャケットもよく目にしていましたね。確かもう『A DAY AT THE RACES』(1976年)が出ていたんじゃないかな。で、KISSだとかジョニー・ウィンターだとか、レッド・ツェッペリンだとかっていうバンドとは、クイーンって雰囲気が違うじゃないですか。だから聴かず嫌いだったんですよ。守備範囲外と言うかね。それで中学2年生の時だったと思いますが、学校の音楽の授業で、1ヶ月に1回ぐらい選ばれた生徒が“今月の1枚”みたいなレコードを持ってきて、みんなで聴くという日があったんです。そこで同じクラスの伊藤君が持ってきたのが、『A NIGHT AT THE OPERA』(1975年)。『オペラ座の夜』ですね。で、先生が音楽準備室でレコードに針を落として、クイーンの音楽が始まったわけです。でね…僕はロックに限らず、素晴らしい音楽を聴くと、風景がバンドのイメージと一緒に浮かんでくるものだと思うんですよ。例えば「ハーレーに乗った男たちがアメリカ大陸を爆走しているズ」とか、「デトロイトで車が作られて、そのアメ車が激突して爆発しているところズ」とか、「お爺さんが灯りを持って天国への階段を上って行くところズ」とか。

YG:つまりステッペンウルフとKISSとレッド・ツェッペリンですね(笑)。

R:そういうことを考えながらロックを聴くのが好きだったんですよ。クイーンはどんな風景の音楽なんだろう? すると、遠くの方からピアノのアルペジオが聴こえてくる。その瞬間、ヨーロッパの古城の扉がゆっくり開くようなイメージが浮かんだんです。今で言うとティム・バートンの映画ですかね。中に入って一番奥の扉のところまで行くと、まだピアノが聴こえてくるんだけど、さらにギターの不気味な音がして、ドアが開いてもの凄いものが飛び出してくる!と思ったら…軽快なピアノの音だった。この緊張の連続と、それを一瞬で場面展開する感じ…1曲目の「Death OnTwo Legs」ですね。そのコーラス・ワークと、アメリカのバンドだったらこんなことは絶対やらないだろうという構築美に驚きながら聴いていました。さらに驚いたのは…

この続きは、1月10日に発売されるヤング・ギター2月号をお楽しみに!