異弦同音を使ったフレージング・アプローチ

異弦同音を使ったフレージング・アプローチ

ピアノなどの鍵盤楽器と違い、ギターでは例えば1弦8fと2弦13fのように、同じ音程が得られるポジションがいくつかある。これらの異弦同音のポジションを1つのフレーズに組み込むと、多少フィンガリングが難しくなるものの、弦楽器ならではのトリッキーな雰囲気を生み出すことができる。今回ニックが紹介してくれたリックは、まさにそんなプレイだ。では、いつものようにニックの言葉から。

Nick’s Comment

このラン奏法はかなりトリッキーで、僕も弾く際にはこれに特化したテクニックを使っているよ。最初の方はカラフルなアルペジオで、それから異弦同音を使う一風変わった形のランに変化していく。僕がよく使う手の1つなんだけど、まるでディレイみたいな効果が狙えるんだよ。一番の肝は、繰り返しの音をきちんと出せるかどうかだね。それと、ここではハイブリッド・ピッキングを使ってほしい。僕自身、オルタネイトで厳密に弾くなんて絶対に無理だよ!

Ex-1Ex-2とも、ド頭はAmaj7、C♯m7のアルペジオを連続してプレイしたフレーズになっている。[Amaj7+C♯m7=Amaj9]なので、’14年12月号で紹介したメジャー9th型のアルペジオを分割したものと考えてもOKだ。で、2小節目2拍以降が、異弦同音を使った部分となる。まずは図1をチェックし、[1弦12f&2弦17f][2弦12f&3弦16f]の異弦同音ポジションが用いられていることを確認してほしい。Ex-1、Ex-2を完コピするのももちろん結構なのだが、自身のプレイに応用することを考えれば…、例えば[2弦16f→1弦12f→2弦17f][3弦14f→16f→2弦12f]のように異弦同音が連続する部分のみを取り出してトレーニングしておくのが得策かも。なお、Ex-2の最後の部分は、C♯mのスウィープ・アルペジオを基にしたフレーズと考えたい。この講座の読者にはお馴染みのことと思うが、“帰り”の[2弦14f→3弦13f→4弦14f]は、ピッキングせずに、左手TAPで発音するのがニック流だ。

Ex-1 Amaj7&C♯m7のアルペジオ+異弦同音のラン・フレーズ その1

●ニック本人のピッキングはかなりややこしいが、要は[2弦16f→1弦12f→2弦17f]のように2本の弦を行き来する部分を[ダウン→中指→ダウン]で弾くことを優先した結果…と考えたい。

Ex-1 Amaj7&C♯m7のアルペジオ+異弦同音のラン・フレーズ その1

Ex-2 Amaj7&C♯m7のアルペジオ+異弦同音のラン・フレーズ その2

●最後のフレーズは[3弦13f、2弦14f、1弦12f、1弦16f]のC♯mのアルペジオを基にしたフレーズと考えよう。

Ex-2 Amaj7&C♯m7のアルペジオ+異弦同音のラン・フレーズ その2

図1■異弦同音のポジション

図1■異弦同音のポジション