DOWNLOAD JAPAN 2022を振り返る! YG座談会レポート

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高品質エンタメを大サービス、STEEL PANTHER!

DLJ2022 スティール・パンサー
STEEL PANTHER

奥村:そんな調子で、ステパン…もといスティール・パンサーでまた空気が一変しました。

斎藤:爆音だらけで耳が疲れていたところ、サッチェルの小気味いいギターが聴けるということで、かなり良いタイミングだったかと。

蔵重:パーティー&エンタメで、それまでとは全く別世界!

奥村:サッチェルは相変わらずメチャ巧でしたね。正に流麗とはあのこと。

蔵重:素晴らしいギタリストです。

斎藤:本当に、演奏とパフォーマンスは最高過ぎます。でも、歌っている内容が最高にくだらない! あ…褒めてますよ(笑)。

蔵重:“LOUD PARK 09”“OZZFEST 2013”と観ていますが、改めてサッチェルはトークというか、ショウ運びもモノ凄く上手でしたね!

DLJ2022 スティール・パンサー サッチェル
Satchell(g、vo) / STEEL PANTHER

奥村:日本人にも分かるように、発音ハッキリめでゆっくりしゃべってくれるのもイイですね。

斎藤:MCはマイケル(・スター:vo)も見事でした。彼も分かり易くしゃべってくれて、でも、その内容は下ネタばっかで…(笑)。

蔵重:オジー(・オズボーン)のモノ真似も上手い。

斎藤:途中でマイクの音が途切れる…というネタがあって、何なのかと思ったら、オジーの(モノ真似の)前振りだったと。

蔵重:マイケル曰く「昨日見つけてきたストリッパー達」のパフォーマンスも見事な演出で。

奥村:あのポール・ダンサー軍団は、「ずっと一緒にツアー廻ってるんか?」…ってぐらいにしっくりきてました。

蔵重:バッチリでしたね! (独自に)リハはやってたんじゃないかなあと思いますが…。

斎藤:終演後、会場入り口付近でダンサーとの撮影会が行なわれていたようですね? 長蛇の列が出来てる写真がSNSで流れてきました。

蔵重:撮影会…やってたようですね(笑)。でも、歌詞もそうですが、色々とギリギリを攻めてますね〜。

奥村:「Asian Hooker」とか、日本で普通にやっちゃうのが凄い(笑)。でも、観客もみんな笑顔で歌ってるし。

斎藤:ジェンダーレスの風潮にも、完全にケンカ売ってます(笑)。

奥村:そもそもがパロディ・バンドですし、楽しいからすべてヨシ…と。

斎藤:終盤に「Death To All But Metal」をやったのも良かった。“メタル以外全部死ね”って(笑)。

蔵重:やりましたね〜。このフェスでこそ!(笑)

斎藤:とにかく、良いポジションで出てくれたな…と思いました。

奥村:どのフェスにも毎回出て欲しいですね!

蔵重:また観たいです。

斎藤:次回も同じことやるでしょうけど(笑)。まあ、『水戸黄門』的なエンターテインメントということで。

激流のサウンドにブルースもにじませたMASTODON!

奥村:続いて、また空気が完全に変わってマストドン

DLJ2022 マストドン
MASTODON

斎藤:個人的にダントツでベスト・アクトです。

奥村:完全に独自の世界観を生み出していましたね!

蔵重:これまた強烈でした。

斎藤:最初、後ろの方で観ていたけど、どんどん前の方に行ってしまって(笑)。

奥村:同じく、3曲目ぐらいからジリジリ前へ進んで行って、中盤で柵から3番目ぐらいの位置に。演奏もですが、スクリーンとのシンクロがとにかく凄かった…!

斎藤:今まで何度も観ているけど、スクリーンも併せての説得力は、今回がダントツで一番でした。

奥村:ただ、ハマれない人は全然ハマれないみたいで、柵前付近でも途中離脱する人がそこそこいて…。

斎藤:まあ、聴く人を選ぶ音楽ではありますので。

蔵重:メンバー全員、歌えるんですね?

斎藤:ビル(・ケリハー:g、vo)以外は全員歌いますね。

蔵重:ヴォーカルが誰になっても、歌の熱量が凄かったですね。

奥村:歌はそれぞれ個性があって、グロウル気味に唸ったり、メロディックに歌ったり。

斎藤:ギター・サウンドにも惹き込まれました。会場的に、どのバンドも音響面で難アリで、このバンドは特に団子になってるような印象もありましたが。

DLJ2022 マストドン ブレント・ハインズ
Brent Hinds(g) / MASTODON

DLJ2022 マストドン ビル・ケリハー
Bill Kelliher(g) / MASTODON

奥村:激烈だけどブルースも感じさせ、スラッジのルーツも残しつつプログレに…というのは特異ですよね?

蔵重:他にはいません。

斎藤:あの塩梅は出せないでしょう。

奥村:南部出身らしい部分もあって。

斎藤:でも、あの土臭さは、日本人の考えるプログレとは異質でしょうね。

奥村:音は全然違うけど、何故かラッシュを感じるところも。

斎藤:ラッシュ色はありますね〜。実は──正直言うと、終盤トイレに行きたくなって、最後の1曲は捨てるつもりだったんです。でも、「Blood And Thunder」が始まってしまったので、トイレの方を諦めざるを得なかったという(苦笑)。

奥村:アレが始まると離脱は出来ませんね〜。

斎藤:まあ度肝を抜かれました。なので、今回のベスト・アクトです。

奥村:同じく、文句ナシでベストでした。

蔵重:私はずっと後ろの方で観ていたんですが、目が離せなかったのは確かですね。

BFMVのセットは名曲の連続でファン感涙!

斎藤:そして、トリ前はブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン。ずっと聴き易くて痛快でした。

奥村:「こんな分かり易いバンドだったっけ?」と。

蔵重:私は、しっかり観たのは今回が初めてだったかも。

DLJ2022 ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
BULLET FOR MY VALENTINE

斎藤:4年前のサマソニ(“SUMMER SONIC”)で観て以来だったんですが、あの時はちょっと脱従来路線というか、(ギター・)ソロもあまり弾いてなくて、問題作が出た時期だったので、(今回は)余計に(良かった)。序盤で2nd(’08年『SCREAM AIM FIRE』)の曲もあったりして、ファン感涙だったようです。SNSでは、“俺がメタルに入るキッカケだった「Scream Aim Fire」が聴けて良かった”みたいな声が結構ありました。

奥村:初期曲は、このバンドが洋楽の入り口だったような世代には、既に懐かしいみたいで、イントロの度に歓声が上がってました。後半に入って「4 Words(To Choke Upon)」(2005年『THE POISONL』収録)が始まった時、「おおお…キタか!!」みたいな反応があったりも。

蔵重:ベスト選曲だったと。私の近くにも、曲によって飛び上がって反応するファンがいました。

奥村:新作に伴うライヴ…というよりも、言わばフェス仕様のセットだったのかな?

斎藤:ステパンに次いでリフが分かり易いのも良いです。パッジ(マイケル・パジェット:g)も弾きまくっていたし。

蔵重:しっかりリフを刻みまくって、ソロはクラシカルで…と、メタルなギター成分たっぷりだったと思います。

斎藤:以前、ラウパで来日した際、他のバンドをつまらなそうに見ていたオネーチャンが、(BFMVが始まると)突然飛び起きたことを思い出しました。

奥村:デビュー時は、イケメン揃いというイメージもありましたから。今ではマット(マシュー・タック:vo、g)が髭面になって久しいけど、スクリーンでアップになったら、未だに童顔で、声も若々しかった。

Michael “Padge” Paget(g) / BULLET FOR MY VALENTINE
DLJ2022 BFMV マット
Matthew “Matt” Tuck(vo、g) / BULLET FOR MY VALENTINE

斎藤:普通にイケメンで売ればイイのに…とは思うんですが。

奥村:昭和メタラーにとっては、彼等もまだ“若いバンド”というイメージがあったりしますが(苦笑)、来年でキャリア20年だし、ひと世代通過して影響力のあるバンドになってるんですね〜。「ブレットがトリ前か〜」と、ちょっと感慨深いところもありました。

蔵重:演奏時間も10分長くて。マストドンまでは、全バンド50分できていて、彼等は60分プレイ。

斎藤:トリ前のひと盛り上がりという点でも、かなり印象に残りましたね。

蔵重:観客数も、ステージ前はブレットの時が最も多かったのでは? ファン層の違いかもしれませんが、次のドリーム・シアターの時は、後ろで楽しんでいた人が多かったような。

奥村:ブレット世代には、ドリーム・シアターはシブ過ぎたんでしょうか?