アーティスト名 | FREAK KITCHEN フリーク・キッチン |
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アルバム名 | CONFUSION TO THE ENEMY コンフュージョン・トゥ・ジ・エネミー |
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プロ・デビューから30年という長きに亘るキャリアを終始一貫してアクロバティックなギター・スタイル一本で邁進してきたマティアス“IA”エクルンド。近年ではヨナス・エルボーグ(b)とのインプロヴィゼーション・ユニット:アート・メタルで奇才ならではの浮世離れした進化成熟の姿を見せつけてくれてもいるが、一方このフリーク・キッチンでは、飽くまでキャッチーかつノリの良い歌ものハード・ロックの新境地開拓への衰えることのないこだわりを証明し続けている。あまた存在するギター・ヒーローたちの中で彼の立ち位置をスペシャルなものにしている鍵といえば、超絶プレイをド派手なエンターテイメントに転化する衰え知らずの熱意に他なるまい。
…なんてことを改めて鮮烈に痛感させられる4年ぶり9作目。前作からちょっと間が空いたものの、トリオのメンツにもサウンド指向にも変更はなく、久々登場の7分台長尺曲「Confusion」やインスト曲「Auto」(共に’98年発表3作目FREAK KITCHEN』以来)も安定したバンドならではの緊密なアンサンブルを誇示するような仕上がりだ。キテレツ極まりないプレイや楽曲展開と同時にキャッチーなメロディーやシンガロング・ポイントも満載したこのバンドらしいドライヴ&グルーヴは今回も絶好調。エモーショナルなバラードの充実も作品全体のカラフル感を引き立てている。
【文】平野和祥