アーティスト名 | ERIC CLAPTON エリック・クラプトン |
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アルバム名 | I STILL DO アイ・スティル・ドゥ |
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ソロ名義のスタジオ・アルバムとしては’13年リリースの『OLD SOCK』以来、約3年ぶりとなるエリック・クラプトンの新作。彼の代表作の1つに数えられる『SLOWHAND』(’77年)をプロデュースしたグリン・ジョンズと再タッグを組んだことでも話題を集めている本作は、前作と同様、ロバート・ジョンソンの「Stones In My Passway」やボブ・ディランの「I Dreamed I Saw St. Augustine」など、クラプトンが愛して止まないアーティストの楽曲を中心としたカヴァーが大半を占める内容となっている。その中には’14年にクラプトンがトリビュート・アルバムを制作した、J.J.ケイルによる「Can’t Let You Do It」「Somebody’s Knockin’ 」も含まれている。
アルバムをひと通り聴いてまず印象に残ったのが、“Angelo Mysterioso”なる謎の人物とクラプトンのデュエットによるアコ・バラードの「I Will Be There」(オリジナルはポール・ブレイディー)。素朴で優しいギターと歌声を聴いていると、「この手の音楽をやらせたらクラプトンの右に出るものはいない」と思わずにはいられない。またスライド・ギターによる印象的なプレイが多いのも本作の特徴で、特に泥臭さ満点のフレーズが聴ける「Alabama Woman Blues」や、繊細なトーンが光るオリジナル曲の「Catch The Blues」などが特筆。
決して斬新だったり新機軸が打ち出されたような作品ではないが、円熟に円熟を重ねた技から生まれるこの絶対的安心感は他にない。じっくり噛みしめて、1音1音を味わいたいアルバムだ。