REVOLUTION RADIO/グリーン・デイ

REVOLUTION RADIO/グリーン・デイ
アーティスト名GREEN DAY
グリーン・デイ
アルバム名 REVOLUTION RADIO
レボリューション・レディオ

CD | ワーナーミュージック・ジャパン | 2016年10月7日発売

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先日、あるクリエイターに取材した際、「長年支持されているコンテンツを少しだけアップデートして、違った魅力を引き出したい」と話していたのが印象に残っている。ロック・ミュージックはまさにその繰り返しで60年以上生きながらえてきたわけだが、グリーン・デイのこのニュー・アルバムも過去へのリスペクトに溢れつつ、新たな彼らの始まりとでも言うべき作品となった。

先行してパンキッシュなリード曲「Bang Bang」を聴いた時は、「次のアルバムは『AMERICAN IDIOT』(’04年)の第二章か?」とも思ったが、あのアルバムほどロック・オペラではない。組曲風な作りの曲もあるものの、むしろヴァラエティの豊かさが特徴だ。先の「Bang Bang」や同じく先行公開された「Revolution Radio」こそグリーン・デイ印のパンクだが、ヘヴィ・シャッフルの「Say Goodbye」、ジミー・イート・ワールドが乗り移ったかのような爽やかソング「Still Breathing」、R.E.M.に通じるアーシーな冒頭曲「Somewhere Now」、ザ・ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」を彷彿とさせる哀愁の「Troubled Times」など、長年のファンでも新鮮な瞬間がたくさん。そのどれもが、引き締まった演奏でグイグイと攻めてくる(ミドル・テンポでもお構いなし!)。そして相変わらずビリー・ジョー・アームストロング(g, vo)のギター・ストロークには一切のムダがない。安定の傑作である。

【文】小口正貴