THE FALL OF HEARTS/KATATONIA

THE FALL OF HEARTS/KATATONIA

耽美ドゥーム・メタル一筋に進んできたスウェディッシュ・バンドの11作目は、これまで小出しにしてきたプログレ趣味を遂に全面解放してみせた意欲作。全編アコースティック・アレンジに徹した企画盤の前作と本来の重い感触がここで融合し、ウェットな声質で歌い上げるヴォーカルとメロトロンを含む情感豊かなキーボード・アレンジが豪快な泣きメロと馴染んで、新たな劇的叙情ヘヴィ・ロックに到達している。太く粘るヘヴィ・リフや激しくむせび泣くリード・ギターは今なお要所要所で健在だが、歪みを抑えたギターのバッキングが叙情表現を大幅に拡大。泣きに濃淡が生まれてドラマティック度が増した。
(平野和祥)