アーティスト名 | SCORPIONS スコーピオンズ |
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アルバム名 | RETURN TO FOREVER 祝杯の蠍団 〜 リターン・トゥ・フォエヴァー |
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’10年に『STING IN THE TAIL』を発表し、「3年間ツアーをしたら引退する」と活動終了を宣言していたスコーピオンズだが、フェアウェル・ツアーの成功と世代を超えたファンの熱狂ぶりに触発され、早くも引退を撤回。バンド結成50周年という節目に、通算18枚目となるオリジナル・アルバムを完成させた。セルフ・カヴァー集『COMEBLACK』(’11年)と、それに続きギリシャのアテネで収録されたアンプラグド作品『MTV UNPLUGGED IN ATHENS』(’13年)が高評価を得たことも、活動継続に向けメンバーの背中を後押ししたことは間違いないだろう。
本作は、元々バンドが過去に書き溜めた未発表曲をファンに提供する目的でレコーディングが開始されたそうだが、その制作過程で奇しくも新曲が完成、それらを追加し“新作”として発表する流れとなったようだ。なるほど、’80sハード・ロックから哀愁のバラード、オールド・スタイルなロックンロールからしっとりしたアコースティック・ナンバーまで、曲調もてんでバラバラな上に、全体に流れも感じられない。シングルB面集のようなこの整合感のなさは一体どうしたものか…(笑)。とにかく楽しむことを最優先に活動を続けていこうとするバンドの前向きな姿勢はアルバムの端々から伝わってはくるが、個人的には消化不良気味。
(Masa Eto)