ASHBLED SHORES/THE SHADELESS EMPEROR

ASHBLED SHORES/THE SHADELESS EMPEROR

近年のギリシャのメタル界は、硬軟いずれの方向においても王道路線を愛する者にとって気鋭の人材のパラダイス。こちらはまたひとつ同国から飛び出した、メロディック・デスの精髄を究める意欲満々のニュー・フェイスである。デビュー作にして複雑な拍子を駆使したプログレッシヴな楽曲展開と突撃感、そしてフォーク・メタル的叙情テイストを完全融合した上で、時にデスコア的手法なども織り込む余裕はまさしく現代的多様性の申し子といった印象だが、器用でもダークなファンタジー感を損なっていないところがギリシャ流。その鍵を握るのは、険しいリフと劇的な泣きメロを同等に重視したギター・ワークだ。
(平野和祥)