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A DIFFERENT KIND OF TRUTH/VAN HALEN

ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース/ヴァン・ヘイレン

アーティスト名 VAN HALEN
ヴァン・ヘイレン
アルバム名 A DIFFERENT KIND OF TRUTH
ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース


CD | ワーナーミュージック・ジャパン | 2012年2月8日発売

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デイヴィッド・リー・ロス(vo)が復帰したヴァン・ヘイレンがバンドとして14年振りとなる新作を発表した。デイヴが最後に参加した『1984』(’83年)以降、ヴァン・ヘイレンの音楽性、更にエドワード・ヴァン・ヘイレン(g)のプレイ・スタイルが大きく変わっただけに、今作では一体どういう方向に進むかと思われたが、アルバムを通して聴いた印象としては、2作目から5作目当時の雰囲気を残しつつ、これまでにないパワフルな要素も盛り込んだ作品に仕上がったと言える。
先行シングルの①、更に②はデビュー前に制作したデモからの曲をアレンジし直したということで、バンドとしても原点回帰という意識があったかと思われるが、それと共に目立つのが4曲(④⑥⑦⑩)も収録されたアップ・テンポのナンバーだ。大雑把に言えば「Hot For Teacher」(『1984』収録)タイプの曲ということになるが、どの曲もそれより遥かにヘヴィでアグレッシヴな曲調になっており、バンドの攻めの姿勢を感じさせる。同時にエディーがこの手の曲ではかなり派手に弾きまくっているのも聴き所で、タッピングやアーミングを随所に盛り込んだ攻撃的プレイには、初期の頃の自由奔放な雰囲気もある。他にもワウ・ペダルを使ったグルーヴィな曲やポップなナンバー、デイヴ得意のアコースティック・ギターを使ったブルース・フィール溢れる曲など、彼ららしい振り幅の広さも見せており、デイヴが復帰したことで、新たなケミストリーが生まれたような作品だ。 (Jun Kawai)

’96年のベスト作品『BEST OF VOLUME 1』収録の新曲で歌うものの、そのままバンドに残ることはなかった。再びの接近遭遇はウルフギャング(b)が加入した後の’07年。ここでツアーに参加。そして遂に本作品である。偉大なるフロントマン:デイヴ・リー・ロスは帰ってきた。バンドを去って28年。参加オリジナル作品は’83年の『1984』以来となる。
 ストレートなファースト・インプレッションは、青春期への回帰。違う言い方をすれば、デイヴ後のVHも良いがあれは大人だったなぁ…等々。バンドとして真のブレイクを果たしたのはサミー・ヘイガー期だったが、その栄光は初期の“荒削り”と引き替え…とも言える。ありきたりだが、VHがVHたる躍動を放つには、デイヴの姿と声が欠くべからずの主要素だったのである、と改めてダメ押し再確認した。
 という気持ちが強いからだろう、どうしても初期独特の勢いを感じる曲には反応してしまう。⑥、それに続く⑦辺りの畳み掛け、⑩や⑫の豪快さはまさしく、待ってました! あと太文字で特筆しておきたいのは、エディーのトーン。尖ってはいない柔らかさがありながら、それでいて高音域を上げただけでは出ない高質なキラキラ感…。いまだ1stの音は“ヘヴィ系のベスト”とされているが、あれとはまた違うトーンでバンド・サウンドを違う次元に導いている。
 14年前の前作は洒落を効かせて『(VAN HALEN)Ⅲ』だった。今回は『〜Ⅳ』でも良かった!?(福田真己)